区内在住の吉田留美さん(71)が、昨年11月に国立新美術館(東京都)で開催された「第10回日展」第2科(洋画)において、初の応募で入選を果たした。絵画を始めたきっかけや絵を描くことの魅力、今後やりたいことについて取材した。
同展は毎年秋に開催される日本最大の公募展で、約3000点の絵画や彫刻、工芸美術、書を展示している。今回洋画では、相模原市から4人が入選。吉田さんにとっては初めての入選だ。
吉田さんが主に描く題材は夜景。「夜、目を引くのは光でしょう。光のきらめきがとても好きで、人工的な光に癒される」と微笑む。今回入選した『ヨコハマ・夜景』については「横浜の夜景が一番。大さん橋から眺めていた。船から漏れる光の感じを描くのに苦労した」と説明する。約半年かけ、何度もやり直して地道に完成させた。
吉田さんが絵画を始めたのは40代の時。子育てをしながらブティック店の経営に勤しみ多忙を極めていたが、母からの「小さい頃から絵がうまかったね」という言葉がきっかけになった。日中は仕事に精を出し、夜は絵画教室へ。夜の光をテーマに描くようになったのも「初めは夜しか絵を描いていなかったから」と振り返る。
これまでさがみ美術展で市長賞を受賞するなど数々の展覧会で入選しており、やりがいは「絵を飾られた時の喜び。人生が広がる」と目を輝かせる。「さがみ美術展で育てられた。仲間もできた」と感謝を口にする。
「絵の魅力は、自分の中身を見つめられるところ」。仕事の苦しさや悔しさも、絵に集中していると忘れられたと話す。今後は相模原の画家たちが「面的な広がりをもって集えるようになれば」と思い描く。「作者同士がうまく交流して盛り上がれる拠点ができたら」
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