人は親不知を含め32本の歯を持っているが、その歯を一本も失わずに一生を終えられる人は数少ない。市健康増進課の調査では、12歳・40歳・60歳それぞれ3割以上の人に虫歯があることがわかっている。加えて、中学3年生の2割以上が歯肉に炎症を起こしており、40歳・60歳の4割以上が進行した歯周病にかかっているという調査結果も出ている。こうした歯のトラブルを未然に防ぐためにも、歯についてきちんとした知識を持つことが大切だろう。
そこで今回、とある一家の口内事情をモデルとし、相模原市歯科医師会の井上俊彦会長に、正しい歯の磨き方や虫歯を防ぐために行うべきことなどを聞いた。
ケース【1】
「夜寝る前に磨くことは悪くはありません。食後すぐに磨くのが理想ですが、せっかくきれいに磨いても、寝るまでの間に何か食べてしまうと意味がないからです。肝心なのは歯磨きのタイミングではなく、いかに丁寧に磨くか。親御さんは子どもと一緒に磨き、最後は必ず仕上げ磨きをしてあげてください。毎日歯ブラシを口に入れ、歯磨きを習慣付けることが大切です」
ケース【2】
「一本ずつ丁寧に磨くと最低でも10分はかかります。そのとき、歯磨き粉はできるだけ泡が立ちにくいものを使ってください。泡が立ちすぎると磨き残しがあっても、綺麗に磨けた気分になってしまいます。フッ素入りの味がする歯磨き粉だと、お子さんも使いやすいでしょう。最後に染め出し液を使うと磨き残しのチェックもできます」
ケース【3】
「歯磨き後に食べ物を口にし、そのままでいると、虫歯だけでなく歯肉炎の発症も招いてしまう恐れがありますので、やめましょう。親御さんは、歯磨き後の子どもの行動を見ていてあげてください。似たようなケースで、朝食後、歯磨きをせずに通学する子どもがいますが、こちらも歯肉炎の原因になりかねません。食事後に歯磨きをする習慣を身に付けましょう」
ケース【4】
「毎食後が難しくても夜だけは丁寧に磨きましょう。歯の健康のためにはもちろんですが、親が歯磨きをしないまま寝てしまうと、子どももそれを真似する恐れがあるからです。歯磨きの効果を高めるために、デンタルリンスを使うのもおすすめです。リンスでうがいをして汚れを落とした後、歯磨きをし、最後に再びリンスでうがいをします。その後水で口をゆすぐ必要はありません」
ケース【5】
「歯に痛みを感じたときには、虫歯はかなり進行しています。虫歯は早期発見・早期治療が大切です。家族でかかりつけの歯科医院を持って、3カ月に1回は定期健診に行き、歯を長持ちさせましょう。市と歯科医師会では、大人を対象に500円で健診が受けられるワンコイン歯科健診などを実施しています。この機会にぜひ受診してみてください」
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