イギリスやオーストラリアへの留学など豊富な海外経験からW杯の注目選手には外国人の名が並ぶかと思えば、自身は日本人選手に思いを抱く。少年時代は元木由記雄、箕内拓郎、松田努など、かつての桜ジャージの戦士たちに憧れ、声援を送った。常勝軍団と呼ばれた関東学院大学では、OBが代表で活躍する姿に刺激され、自らを奮い立たせ、トップリーグでは、代表選手たちとしのぎを削ってきた。リーグで活躍する選手たちが自国開催のW杯でどんな活躍を見せてくれるのか、今からもう楽しみで仕方ないといった様子だ。
前回大会は日本文化も理解するエディ・ジョーンズHD(ヘッドコーチ)の指揮のもと、ジャパン・ウェイ(日本らしさ)を全面に出して戦ったが、今回はジェイミー・ジョセフHDをはじめ、攻撃、守備コーチ皆がニュージーランド出身で、外国人選手も南半球の国から集めた。スピード感にあふれ、ボールをどんどん動かすニュージーランド仕込みのラグビーが身上。同グループの双璧・アイルランド、スコットランドに代表される欧州特有の重厚でスローなラグビーとぶつかり合うことで果たしてどんな結果が生まれるのか。自身は大いに期待を寄せている。
3人の仲間にエール
一方選手に目を向ければ、PR(プロップ)中島イシレリ、司令塔のSO(スタンドオフ)田村優、SH(スクラムハーフ)茂野海人の3人に期待をかける。この3人は所属していたNEC時代に日本一をめざして共にプレーした仲間。その3人が今度は世界一をかけて戦うとあって、「もちろん応援したいし、とにかくみんなには頑張ってほしい」と思い入れはひとしおだ。
注目される予選リーグ突破のカギは、ずばり「地の利」。「時差がなく、食事も変わらない」といった様々な自国開催の利点をフルに生かし、初戦を勝ち切ることの重要性を挙げた。その上で、強豪の2国とは疲労が見える後半を勝負どころとし、左右に揺さぶるスピードラグビーが発揮できれば勝機があると見る。
そうしたチームの勝敗は気になるところだが、その中でも「現地でも、TVでも、どんな形でもいいのでW杯を観て触れて、楽しむ」ことを呼びかける。ラグビーが好きになる契機となることにも期待する。「世界のラグビーが日本に集まる滅多にない機会。このチャンスを逃さず、一緒に代表の力になれるよう応援しましょう、そして楽しみましょう」