コロナ禍で抱える不安やストレスを少しでも解消し、市民に元気になってもらおうと中央地区社会福祉協議会(以下社協、徳田文夫会長)が地域住民から募集した作品が、このほど一冊の冊子にまとめられた。
同地区社協では昨年2月まで、地区内5カ所で行われる「三世代交流事業」など、地域や人を結ぶ取り組みを実施していたが、コロナの影響で中止を余儀なくされ、コミュニティの希薄化が懸念されていた。
そんな中、夏頃に組織内で「人が集まらない形で何かを地域に発信して、市民を元気づけられないか」という声があがり、理事ら16人で「みんな元気になろうプロジェクト」を発足。不安が広がる日々の生活の中で起こった心温まる出来事や、元気をもらった経験などを地域の人たちから募り、それを機関誌などを通じて共有することで人と人とのつながりを保とうという企画を立ち上げた。プロジェクトリーダーの鳥海千秋さんは「何もしなければ絆が薄れる。みんなが参加できる事業で絆を取り戻したかった」と話す。
想定超える応募数
10月から11月にかけて中央地区在住・在学・在勤者を対象に、所定用紙に自由表現で作品を募った。「当初は50点くらい集まればと思っていた」という同地区社協副会長の小林満さんらの予想に反し、寄せられた作品は想定を大きく上回る171点。最も多かった小学生以下から90代の高齢者まで全年代から応募があった。内容も作文や写真、絵、俳句など多岐にわたり、中には木の実を貼り付けた立体作品も。小林さんは「初の試みで心配もあったが、幅広い世代に協力してもらえてよかった」と微笑んだ。
「みんなで見て」
すべての応募作品をまとめて紹介するため、機関誌ではなく冊子にすることに。そしてこのほど、『コロナに負けるな!〜みんな元気になろう〜』と題したA4判カラー30頁の作品集が完成した。冊子を手にした徳田会長は「原本を掲載しているところに魅力がある」と目を細め、鳥海さんは「今回参加しなかった人にも見てもらい、ほっこりとした気持ちになってもらえたら、我々の一番の思いが伝わるのでは」と述べた。
できあがった作品集は応募者や関係者らに配られるが、一般の希望者にも無料で配布する。希望する人は、直接中央公民館へ(土日以外)。作品集に関する問合せは中央地区社協【電話】042・758・0130へ。