ものづくりに携わる技能士の更なる技術向上をめざす「技能グランプリ」(厚生労働省・中央職業能力開発協会・一般社団法人全国技能士会連合会主催)の第31回大会が2月に開催され、三菱重工エンジン&ターボチャージャ(本社/田名)に勤める工藤真人さん(28・区内在住)が最優秀賞にあたる内閣総理大臣賞を受賞した。
大会は4部門28職種で実施。工藤さんは一般製造部門の旋盤職種に初出場した。図面どおりに金属の丸い棒を工具などで切削や加工し、その部品を組み立てる。組み合わさった部品がスムーズに動くか、ねじを回転させた時の寸法の精度や仕上げの美しさも審査対象となる。競技時間は5時間30分。課題は2カ月前に公表され、参加者は練習を重ねて本番に臨む。「入賞しないのは恥」と自らを奮い立たせて大会に挑んだという工藤さん。しかし「緊張しまくりで。大きい失敗はしなかったけれど、ギリギリだった」と振り返った。「いつも通りの仕上がり」と表した製作物も結果、参加17人中1位に。全競技で4人に贈られる大臣賞にも輝いた。受賞式はオンラインで行われ、それを見た同僚からメッセージもたくさん届いた。「初めて母にも褒められて」と笑顔を見せ、「自分一人ではできなかった。これからはお世話になった人たちに恩返ししたい」と語った。
工藤さんは横浜市出身で工業高校を卒業後、同社へ入社。大型NC旋盤のオペレーターやプログラマーなどの経験を経て現在は「技能五輪」の旋盤職指導員として後輩の指導にあたっている。「自分が身に付けた技術や技能を今後の作業に生かし、後輩選手の技能五輪入賞に力を注ぎたい」と更なる飛躍を誓った。
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アゴラ春号5月3日 |
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