神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

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区内を中心に展示を行う日本画家 藤井 ふみよさん 南区西大沼在住 61歳

公開:2012年3月15日

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野の花を描く喜び伝える

 ○…野の花の一番美しい瞬間をその場ですぐ描きたい――。一本の筆と僅かな顔料のみで、水もほとんど使わない一本筆技法を考案した。材料を揃える予算や時間が余りない人にも、花を描く喜びを気軽に楽しんで欲しかった。近所の主婦たちへ、野の花教室を開きながら、区内での個展や作品集の出版なども精力的に行っている。

 ○…50歳で長年勤めた小学校を退職した。目標や自信を失い、一日中家で夫の帰りを待つうちに、重いうつ症状にもなった。立ち直るため始めたヘルパーの仕事。押し花の絵を描く93歳の老婆との出会いが運命を変える。昔描いた花の絵をプレゼントすると「本当に綺麗」と喜び、宝物のように大切にしてくれたのだ。大好きな野の花を通して、人を笑顔にできる。苦しみ続けた自分がようやく巡り合った、新たな生きがいだった。

 〇…老婆との交流を通して、ファーブル昆虫記の絵本作家として著名な故・熊田千佳慕さんとも知り合う。福寿草の花を描いた作品を見せると、自然を愛する熊田さんは気に入ってくれたのか、亡くなるまでの数年間、絵を見てもらう関係が続いた。良い作品だと「自然が描けている」と微笑む熊田さんの姿は忘れられない。描く時に大切な「見て、見つめて、見極めて、初めて一本の線を引く」という教えは、今も心に言い聞かせている。

 〇…誰の庭にも分け隔てなく花を咲かせ、踏まれても咲き続ける野の花に何度も癒され、救われてきた。教員と主婦業の掛持ちで、忙しなく働くときも、時間さえあれば、花を描いていた。野の花には人を幸せにする力があると信じている。自分の作品を通して、手軽に描ける一本筆技法を伝え、「少しでも多くの人を笑顔にできれば」と願う。老人ホームでの展示なども実現したい夢の一つ。かつて野の花に救われた自分のように、描く喜びを多くの人に知ってもらいたい。
 

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