昨今、様々な研究により、虫歯や歯周病など歯のトラブルが、全身の病気に関わっている可能性が指摘されている。いつまでも元気に年を重ねるためにも、歯と身体の関係について理解を深めることが大切だろう。そこで今回、「口の健康が全身の健康に関わる」という観点から相模原市歯科医師会の井上俊彦会長に話を聞いた。
一見、歯の健康と全身の健康は関わりがないように思えるが、そうではないと井上会長は指摘。「歯と口腔の健康は、『自分の歯でおいしく食べる』、『楽しく会話する』など健康で生き生きとした生活を送るための基本です」と話す。歯を健康に保つことが健康寿命の延伸にもつながり、日常生活を健康上の問題なく過ごせるのだという。
近年は、血液中に入り込んだ歯周病菌が糖尿病や心臓病、動脈硬化、呼吸器疾患などの病気を引き起こしたり、悪化させたりする原因になることが明らかになっている。高齢者に多い誤嚥(ごえん)も、気管に歯周病菌が入ってしまい、肺炎などを引き起こすと言われており、がん手術の前後など免疫が下がり口腔の菌が増殖しやすい時期も、合併症である肺炎を引き起こしやすくなるとされる。
歯周病だけでなく、虫歯が多いために噛む力が弱くなることも全身の健康に害を与える危険性があるという。「例えば、ハンバーグなどの柔らかい食事ばかりになると噛む回数がへり、満腹中枢が刺激されにくくなります。そうすると、過食になり肥満やコレステロール値が上昇し、生活習慣病を引き起こす要因になるのです」
丁寧なケアで予防を
全身の健康に影響を及ぼす歯周病菌や虫歯菌だが、日頃の口腔ケアを丁寧に行い、菌の数を増殖させないことが、健康を保つために大切だという。そのために井上会長は、家族でかかりつけの歯医者を持ち、最低でも年に3回は自分の口腔の健康状態を医者に診てもらうことが大切だとアドバイスを送る。加えて、日頃のブラッシングを正しく行うことや、規則正しい生活を送ることも、免疫を乱さず健康を保つには不可欠とし、食事などを介して大人から子どもに菌が移ることもあるので、子どものうちから丁寧なケアを行うことも重要だという。
井上会長は「まずはかかりつけの歯医者を持って、定期的な健診を受けることから始めてみてください」と話している。
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