互いに切磋琢磨し夢追う
社交の場や競技会で音楽に合わせ、男女一組で踊りを披露する社交ダンス。アメリカ人の父と日本人の母を持つ小学生ダンサーとして数々の競技会で賞を総なめにし、その名を轟かせる兄妹がいる。上溝小6年の兄・ホワイトン謙心君と5年の妹・夏奈実さん=D.T.Sジュニア相模原所属=だ。小学生にして輝かしい経歴を持つ二人だが、その目はすでに世界を見据えている。
社交ダンスは、男女が組んだままで踊る「スタンダード」と、自由な動きをする「ラテン」の大きく2つに分かれる。同競技との出合いは謙心君が3歳、夏奈実さんが2歳の頃。祖母に連れられ緑区・橋本台にあるスタジオを訪れたことがきっかけ。振りで曲を表現することなどダンスの魅力に惹かれ、どんどんのめり込んでいった。練習を重ね実力を付けた二人は、小学1年と年長時に国内の大会で初優勝を飾ると、以降、国内の11歳以下の部門で表彰台を独占。昨年からは15歳以下の部門に出場しており、年上相手にも引けを取らない堂々とした踊りを披露。ジュニアランキングではスタンダード、ラテン共に3位につけている。自分たちの強みについて謙心君は「どのカップルよりも、心から楽しむ気持ちがダンスに表れていると思う」と話す。
ストイックに実力つける
同年代では日本に敵なしと言っても過言でない二人。その実力は確かな練習量とひたむきな姿勢に裏打ちされる。平日は学校帰りに約2時間、土日は4時間以上スタジオで猛練習。自主練習にも積極的で、自分たちの踊りを録画して確認しつつ細かい動きを改善している。「もっとうまくなりたい。きつい練習もあるが、楽しいと思えるようになるまで技術を磨いている」
こうした中、2017年2月。二人はコペンハーゲンで初の世界大会に出場。社交ダンスが盛んな欧州の強豪たちが集まる中、決勝進出を果たした。優勝は逃すも、初出場で好成績を収めた二人。だが、「世界で優勝する人は技術が本当にうまかった。自分たちはまだまだ」と謙虚に話す。
「プロ・アマで世界一に」
夢は「プロ・アマ両方で世界チャンピオンになること」と謙心君。今はダンス技術が向上していくことに喜びを感じているという。一方で夏奈実さんは、チャンピオンをめざしつつ、大好きな社交ダンスの曲と踊りの魅力を伝えられる指導者をめざしている。
堅実な性格の謙心君と前向きさが特長の夏奈実さん。本番で納得いく踊りができなければ夏奈実さんが励まし、ハードな練習にくじけそうなときは謙心君が引っ張るなど、互いを鼓舞する。性格は正反対な二人だが、「ダンスが楽しくて仕方ない」という思いは同じ。兄妹で心を一つに、大好きな社交ダンスの世界を駆け上がる。
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