「健康な心と身体はお口から」のスローガンのもと、市民のための歯と口腔の健康づくり活動を行っている公益社団法人相模原市歯科医師会(井上俊彦会長)。歯と口腔について考える今回の特集に合わせて、井上会長に同会の取り組みや今後の展開について聞いた。
◇ ◇ ◇
―新型コロナウイルス感染症の拡大が様々な業界に影響を及ぼしていますが、現在の相模原市医師会の取り組みについて教えてください。
「市歯科医師会では、神奈川県歯科医師会が進めている歯科診療の新しい診療様式に準じて、市民の皆様の健康サポートを行っています。県歯科医師会では現在、新型コロナウイルスを正しく恐れて、健康で豊かな生活を取り戻すことをめざし、『7つのお願い』を提唱しています」
―このお願いの中で、メインテナンスの継続やかかりつけ歯科医への相談を喚起されています。
「メインテナンスはむし歯や歯周病を進行させないために歯科医院で計画的に維持管理すること、検診はむし歯の有無や歯周病の進行を調べることです。歯科医師は患者さんの状態をみてメインテナンスをしています。ですので、定期的な検診やメインテナンスを行わないと、症状が進行してしまう恐れがあります。患者さんには治療の継続について、ご自身だけで判断するのではなく、かかりつけの歯科医師にぜひ相談していただきたいですね」
―そのほかに現在、会として取り組んでいる事業はありますか。
「市は、2014年に歯科保健単独計画として『相模原市歯と口腔の健康づくり推進計画』(現在は第2次)を策定しました。私たちは、この計画を条例化するように数年前から市へ働きかけています。条例にすることで、市民の口の健康に対する意識が変わってくれば、当会の取り組みもより浸透していくものと考えています」
―口腔ケアという言葉をよく耳にしますが、具体的にどのようなことを意味するのでしょうか。
「口腔ケアは、器質的口腔ケアと機能的口腔ケアに分かれます。ケアというと歯磨きや舌磨きを想像される方が多いと思いますが、それは”口の中を清掃して清潔な状態に保つ”ことであり、器質的口腔ケアに分類されます。機能的口腔ケアは、舌や頬の動きや咀嚼といった口腔機能の維持や回復を目的とするものです。どちらが欠けてもよくありません」
「そこで大切なのが、オーラルフレイルの予防・対策です。オーラルフレイルとは、直訳すると『口の機能の虚弱』という意味です。むせる、食べこぼす、食欲がない、舌が回らない、口が乾く、あごの力が弱いなどといった、口に関するささいな衰えを放置したり、適切に対処しなかったりすることで、口の機能の低下や食べる機能の障害、心身機能の低下にまでつながる”負の連鎖”に陥ることがないよう、警鐘を鳴らす目的で提唱されています。当会では今後、このオーラルフレイル予防を新たな事業として展開していきたいと思っています」
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