相模田名高校(都丸利幸校長)の芸術部の生徒がこのほど、ボランティアグループ田名畑(たなばた)の会(金井晴雄代表)が運営する「田名ふれあい交流農園」のコンテナに四季折々の風景を描き、話題を集めている。
芸術部が絵を描き始めたのは2月初旬。同農園が3月から活動を開始するにあたって購入したコンテナへの落書きを防ぐため、芸術部が依頼を受けたことが契機となった。作業のほとんどは平日の放課後。毎日のように農園に通い、コンテナに絵筆を走らせた。3年生の黒澤瑠梨杏さんは「壁面に描くのは初めてで、絵具とペンキでは感覚が違う」といつもと違う作業に戸惑った。苦労しつつも、描き進めるうちに農園の参加者をはじめ、地域の人からも声をかけられるようになり、交流が深まっていった。
そうした中、新型コロナによる休校で作業が困難な状況に追い込まれる。農園に足を運べない日が4カ月ほど続き、再開後も時間の制限や進路活動などで思うように作業が進まない。当初の完成予定だった4月から大幅に遅れたものの、生徒一丸となり8月末から一気に仕上げ、ようやく完成にこぎつけた。
10月に行われた引き渡し式では最後の仕上げとして部員が細部に色を加えた後、次期部長で2年生の熊谷遥菜さんが「相模田名高校芸術部2020」と筆を入れた。完成したコンテナの絵は中央に相模川が流れ、四季の花々が周りを飾るデザイン。側面はさまざまな野菜の絵で彩られた。
完成した絵を前に、金井代表は「地元の風景が入っていて最高。この絵に負けないくらい立派な野菜を作っていく」と力強く感謝の意を述べた。式の終わりには同農園で収穫された野菜を使った豚汁などが振舞われ、交流を楽しんだ。
3年生の石川友梨香さんは「地域貢献を経て絵の仕事をしたいと再確認した」と振り返り、黒澤さんは「地域に残る大きな作品を作れてよかった」と笑顔で達成感をにじませた。顧問の長廻亮教諭は「この1回で終わらず、全部員が地域との関わりを持てるようになれば」と、今後の活動に向け展望を示した。
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