市内の全私立幼稚園が加盟した「相模原市幼稚園・認定こども園協会」では、発足当初から「教育研究・研修」を最も重要な事業に位置付け活動している。近年、人格形成における「幼児教育」の重要性が広く認識される中、同協会ではどのような研修・研究を行っているのか。同協会の黛裕治副会長(清心幼稚園 園長)にその中身と、思いを聞いた。
黛副会長によると、協会が「教育研究・研修」を行う前提として、全加盟園が「私立幼稚園」としての独立性を有している事があるという。各園では、文部科学省が定めた学習要領に加え建学の精神などをもとに独自の教育プロブラムを作成し、日々園児の成長を促している。黛副会長は「協会としては各園の教育方針や個性を尊重しながら、どの園でも共通する課題や先生たちのスキルアップを目的に研究・研修を行っています」と各園との関係性を説明する。
研究活動では、各園から代表者を集い、3つのテーマに分かれて毎月1回の研究を2年間継続。代表者は活動内容を園に報告し、全教員で共有する。テーマは幼児教育において普遍的な内容から、時代の変化に対応したものまで様々。現在は「子どもと共に育つ保育者」などのテーマを設け、それぞれ専門家が参加している。「専門家の方は、和泉短期大学様や相模女子大学様など地元の教員養成校所属の方が多いです。そうすることで、市の現状を踏まえた研究が可能となり、両者の連携も密になります」と黛副会長。同協会では地元の教育機関同士の連携も重要だと考えている。
貴重な交流の場
研修活動は、ダンスや歌の講習に加え、発達障害への理解を深める特別支援教育研修会も実施。専門家を招いた講習を行い、教員が現場で適切に対応できるよう取り組んでいる。黛副会長は「研究などを通じて教員の方に知識、技能を身に着けてもらう事はもちろん、他園の教員と交流しお互いが支え、切磋琢磨できるようサポートしていくことが必要」と話す。
「子どもの成長には教員自身の成長が欠かせない」。半世紀以上前に芽吹いた同会の「哲学」は次なる50年へ、脈々と受け継がれていく。
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