このほど茅ヶ崎市とモリタ宮田工業(株)(土屋和博代表取締役社長)は、同市特別仕様の住宅用自動消火装置を共同開発した。これは市が2008年度から進めている都市防災推進事業の一環で行われたもの。
今回共同開発した装置は同社が住宅に最適な小型自動消火装置として開発した従来製品の「スプリネックスミニ」に音声で知らせる音声警報機能と、光で知らせるフラッシュ警報機能を付加したもの。
2014年の春から共同開発に着手し、夏ごろまで検討を繰り返し従来の機器に2つの機能を追加した茅ヶ崎仕様を完成させた。
「火事です」の音声と点滅する光で火災の発生を知らせることから、目や耳が不自由な人に対しても知らせることができるという。
スプリネックスミニとは
スプリネックスミニは高さ80cmほどで約30cm四方の床に設置が可能。天井に設置する定温式と差動式の2種類の感知器が火災を素早く感知。水の約4倍の消火性能をもつ9リットルの薬剤で約26・5秒間放射し自動消火する。防護面積は約4・5畳で、電源や薬剤は本体に内蔵されているため停電時も機能するという。
市内は地震による延焼火災の危険性が高いことから、今後訪れる超高齢化社会を見据え地域による火災対策を支援しようと「防災まちぢから応援ツール」の導入を進めている。この応援ツールは火災対策として必要な4つの対策である「出火」「初期消火」「避難(居宅内)」「避難(居宅外)」を行うための機器などを設置するもので、市ではこのスプリネックスミニをモデル地区の市内6地区内120世帯に設置。2016年度からの全市域への導入に向けた検証を地域と一体となって進めていく。
高橋宏幸取締役副社長は「火災によって亡くなる人のうち65歳以上の高齢者は6割を超え、その内の約4割は歩行困難者など自力非難ができない方々と言われている。死亡原因の大半が逃げ遅れであることから、早期発見、早期消火で多くの命が救えます」と話している。機器に関する問い合わせは市都市政策課【電話】0467・82・1111へ。
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