「地域の未来」とも評される子どもたち。「茅ヶ崎寒川地区幼保小教育連携研究協議会」では、地域の教育に携わる保育園・幼稚園・小学校が手を取り合い、連携を強めている。地域の子どもたちのために何ができるか、何をすべきか。3者が連携し目指す教育の姿について取材した。
同協議会の発足は1984年。市教育委員会の仲立ちで小学校長会と私立幼稚園協会が手を取り合うかたちで始まり、89年に保育園長会が参加。2017年に現在の編成となった。
「小学校の進級を含め、教育には連携が不可欠。普段から顔の見える関係が大切」と話すのは、協議会の代表を務める浜之郷小学校の野上美津子校長。同様の教育連携団体は各地に存在するが、他地域と比べ茅ヶ崎寒川地区は活動が活発で、特に私立園らの協力が顕著だという。
協議会では研修会、講演会などを通じた教育研究や、幼児・児童の交流などを行っているが、特に重要視されているのが、視点の共有。「ひとつの課題を多面的に見ることは大切ですが、いざ動く時には同じ方向を見る必要がある。それぞれの立場から見えるものを共有し、同じ目線も持てるよう心がけています」(野上校長)
「1年生を赤ちゃん扱いしすぎていたかも」
子どもの育ちにおいて何を大事にするかという大目標のために、「人の話をしっかり聴くことができる」を長年の共通指導テーマに掲げている。「”明るく優しい元気な子”だけがいい子じゃない。子どもたちの特徴、個を越えて教育機関で共通して指導すべきことが、『聴く』ことの重要性」と野上校長は説く。
2月14日、茅ヶ崎すみれ幼稚園で協議会の「幼稚園活動参観」が実施された。協議会のメンバーが同園を訪れ、運動や知育学習など、日々の活動を見学。続いて開催された参観者懇談会では、同園職員が活動内容や教育方針などについて解説し、質疑応答も行われた。
参加した小学校関係者は「年長児が下級生の面倒をよく見ていること、その時の自信を持った眼が印象に残った。1年生として迎える時に、赤ちゃん扱いしすぎていたかもと気付かされた」と振り返り、保育園関係者は「知ることで、課題解決の新たな手段や、別の課題も見つかる」と話した。野上校長は「これからも子どもたちのため、手を取り合い、顔を見ながら努めたい」と笑顔を見せた。
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