絵本をよろこびの種に 作家の荒川さんが読み聞かせ
「まずは、ろうそくに火をつけましょう」。お話会のはじまり。両手の人差し指を2本のろうそくに見立てて、灯りをともす。身を乗り出して絵本の世界に入る子どもたちの姿が印象に残る。お母さんが子どもをあやす様に、一言ひとこと語りかけながら絵本を読む。
南湖在住の絵本作家・荒川薫さん(75)は、「湘南・絵本とおはなしの会」の会員として、他の会員と共に毎月一度、南湖公民館で「絵本とお話しの時間」を開催している。
イベントでは、絵本の読み聞かせや手遊び、わらべうた、紙芝居などを披露。「楽しいことって人にも伝えたくなるでしょ」と、優しい笑顔で語る。
絵本に携わって52年。きっかけとなったのは、大学卒業後、福音館書店に入社したことだ。入社間もなく絵本作りにも携わるように。ちょうど福音館書店が絵本製作に乗り出した時期だったという。「どんな絵本が子どもたちに必要なのか学びながら編集をして。絵本の魅力に惹きつけられていきました」と振り返る。
妊娠を機に退職。子育て中に息子に読み聞かせることで、読者として絵本を見つめ、さらに絵本の魅力に気付いたという。子育て中に福音館書店から声が掛かり「ころころだるまさん」でデビュー。現在も年に一作は短い童話や絵本などの作品を執筆している。
子どものための作品を
「執筆する時は子どものことを一番に考えています」と荒川さん。「お母さん」だから書ける作品も多い。
2009年に発行した絵本「すずめ ちゅん」は、子育て中「ちゅん ちゅん」と子どもをあやしていた事を思いだしながら書いた作品。絵は、画家として活躍する二男・荒川暢(みつる)さんが手掛けた親子の合作だ。
「私にとって、絵本は喜びの源です。自分で読んでうれしく、人に読んで喜ばれ、それがまた自分の喜びとなり、創作の喜びにつながります」。喜びの種を育む母として、絵本の素晴らしさを伝え続ける。
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