市内本村在住の佐野太紀さん(37)が、芹沢や藤沢市北部の畑で藍染めに使用されるタデ科の植物・藍の栽培に励んでいる。畑近くには廃材で手作りの工房も構え、「種まきから栽培、製品化、ワークショップまで一貫したプロジェクトを企画している。熱意があり、藍づくりに携わりたい人は声を掛けて」と語る。
佐野さんが藍の栽培をはじめたのは2017年夏。藤沢で藍を育てる塩沢功さんの記事を読んだことがきっかけだった。もともと伝統工芸の藍染めに興味があり、静岡や京都の職人を訪ねたこともあった。「藍を育てている人がこんな近くにいたとは」。すぐに連絡を取り、指導を仰いだ。
藍の天然染料「すくも」づくりは、昔ながらの職人技で、1年単位の大仕事。素人が簡単に手を出せるものではない。夏に収穫した藍の葉を藁の下で腐らせて発酵させ、藍甕(あいがめ)の中でかき混ぜて完成させる。ものを言うのは温度管理。発酵の進み具合の見極めも肝心だ。佐野さんは昨年手探りの中、試作に成功し、手応えを感じている。
人の縁で夢に着々
文教大学を卒業後、主にWebで古物商を営む佐野さん。「ありがたいことに藍づくりでは人の縁に恵まれた」。柳島海岸の川村眞弓さんが土地を無償で貸してくれたほか、工房づくりにも全面協力。隣の畑の大工さんも手伝ってくれた。廃材も市内の建設業者から譲り受けたものだ。
今は種まきの最盛期で、ほんのり日焼け顔。「藍を通じて人と人をつなぎたい」。(問)佐野さん【メール】hpspjp3@gmail.com
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