新型コロナウイルスの感染拡大により、外出自粛や在宅ワークが増えた結果、家庭菜園や市民農園での畑仕事への関心が高まっている。市内の市民農園の管理者や事業所には、5月ごろから多くの問い合わせが寄せられ、契約件数が急増している。
子どもの気晴らしに
平塚市内で10歳と4歳、2歳の子どもを育てる32歳の女性は5月、茅ヶ崎市高田の閑静な住宅街に広がる「シェア畑」を契約した。
外出自粛の長期化に伴い、子どもたちが自宅で過ごす時間を持て余していたことや、公園やスーパーも気軽に出掛けられない状況を危惧して契約を決めた。「畑までは車で20分くらいだけれど、子どもたちにとってはちょっとしたお出掛け。今朝、1週間ぶりに畑に行くって言ったら、子どもたちにずるい!一緒に行きたいってうらやましがられました」と笑う。
また、食育や情操教育にも役立っている実感も。思春期に差しかかり、家族での外出を渋るようになった長女も畑には付いてくるといい、「収穫や雑草取りも進んでやってくれる。表情も和らぎ会話も弾む」と思わぬ収穫を喜ぶ。
前年比6・5倍の契約数
高田のシェア畑のほか、首都圏・関西で約100カ所の貸農園を運営・管理する(株)アグリメディア(東京都新宿区)の広報担当によれば、4月は緊急事態宣言を受けて新規受付をストップしたが、5月の高田の新規契約件数は前年比の約6・5倍。同社全体では前年比の約2倍、過去最高を更新した。対面を避けるための「オンライン説明会」など、時世をとらえたサービスが契約増に弾みをつけていると分析する。
にぎわうホームセンター
北茅ケ崎駅近くのホームセンター「島忠」も連日、野菜・園芸コーナーがにぎわっている。同店担当者は、「コロナの影響とは断定できないものの、在宅ワークが定着した5月ごろから旬の野菜苗や、プランターなどの初心者向けの園芸資材の売り上げが増加した」と話す。
高齢農家に明るい兆し
市内中島で市民農園を管理する根岸幹夫さん(77)も需要増を実感している。5月の連休ごろに問い合わせが増え、区画がいっぱいになったため、個人で管理している農地の一部を紹介した。
「小さな子どもがいる30代の家族が、イチゴの収穫やトマトが赤らんでいく様子を喜んでいました。これからは、農家も高齢化で自分で耕せなくなるので、若い人に手伝ってもらったり、担い手の育成や耕作放棄地の解消なども期待できる」と語った。
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