市は、近年増加傾向を見せる外国人旅行者への対応を本格化させようと、県が行う調査を活用し、相模原を訪れる外国人の実態把握などに乗り出す方針だ。外国人旅行者については、市内で営業する民間企業でも大きな商機と捉え、外国語での案内などを強化する動きがある一方、地元を基盤に営業を続ける商店などの人々にとっては、慣れない外国人旅行者への対応に戸惑いも広がっている。
外国人旅行者を巡っては、東日本大震災が発生した2011年の翌年から増加傾向が続いており、今年4月には単月で過去最多となる208万人が来日した。政府は外国人旅行者への対応を含む観光業を成長産業の一つと捉え、2020年には年間4000万人が日本を訪れる観光先進国をめざしている。
相模原市にもここ数年、外国人旅行者が多く訪れるようになり、最近では都内で宿を確保できない団体客などが市内のビジネスホテルを利用するなど需要も増えている。そうした状況に加え、2027年にはリニア中央新幹線が開通し、橋本新駅が設置される予定で、更に多くの外国人が相模原を訪れる可能性が高いことから、市では外国人旅行者の実態把握に取り組む方針だ。
当面は、県が行う外国人旅行者の動向調査を活用しながら市内を訪れる外国人旅行者数や行動パターンを把握し、今後実態をつかんだ上で、市ならではの具体的な施策の実行に生かす考え。そのほかに、市観光協会のホームページへの自動翻訳機能追加や、観光地での公衆無線LANサービスの整備などにも取り組んでいく予定だ。
民間では温度差も
市内の大手ホテルやショッピングセンターの中には、外国人旅行者の増加を商機と捉え、外国語を話せるスタッフの配置や、外国語での商品表示などの取組みを進めている企業もある。一方、地元で営業を続ける商店会加盟店などでは、「外国人旅行者は団体で店に来ることが多く、常連のお客さんの迷惑になってしまう」などと否定的な見方も少なくない。ある区内の商店会関係者は「外国人旅行者の増加が一過性のものなのかを見極めて、今後、外国語表記のパンフレットの作成などを検討したい」と話した。
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