相模原市立博物館レポvol.9 奥深き「砂の世界」 学芸員 河尻清和
砂は、砂浜や砂場など、私たちの身近に存在します。その他、河原、湖畔、砂丘や砂漠など、地球上のいたるところで砂を見ることができます。しかし、砂と一口に言っても、黒っぽいもの、白っぽいもの、また、小さな生き物の破片をたくさん含むものなど、場所によって大きな違いがあります。「所変われば『砂』変わる」と言っても良いでしょう。
砂の粒子は、岩石、鉱物、生き物の殻や骨格などの破片でできています。砂に違いがあるのは、これらの粒子の種類、大きさ、大きさのそろいぐあい、形、角のとれぐあい、小さな生き物の破片の種類などが場所によって違っているからです。中でも、粒子の種類の違いは砂の違いに大きな影響を与えます。周辺の地質や地形、粒子を運ぶ河川・海流・風などの作用、生き物の種類や生息状況、堆積した環境などが複雑に関係して、様々な砂が形成されます。
海の砂の中には貝殻の破片が含まれることがありますが、他にも、いろいろな種類の生き物の殻や骨格などの破片、あるいは、微生物の殻が含まれている場合もあります。砂に含まれる微生物の代表的なものは有孔虫と呼ばれる単細胞生物です。名前に「虫」がついていますが、昆虫とは全く異なる生き物です。
有孔虫の殻は種類によって形が違っています。また、砂の中の有孔虫の種類は環境によって異なります。南の島の砂浜の中に見られる星砂も有孔虫の殻です。
今回の企画展「砂展〜日本の砂・海外の砂〜」では、相模川をはじめ日本各地や海外の色々な砂を展示します。あわせて、砂の中の小さな生き物の破片も紹介します。また、砂が固まってできた砂岩も展示します。各地の砂の違いをお楽しみいただければと思います。
企画展の展示は5月27日(土)から7月2日(日)までです。関連事業として6月18日(日)の午前10時から午後4時まで、各地の砂を顕微鏡で観察するイベントを開催します。皆様のご来館をお待ちしております。
■相模原市立博物館【電話】042・750・8030
|
|
|
|
|
|
|
<PR>