一人で外出が困難な高齢者などを対象とした「買い物支援バス」の試験運行が5月11日から始まった。あかね台(高森2〜4丁目)と東高森団地の住民有志が発案し、市社会福祉協議会(市社協)が協力した。この日は、両地区の住民らがマイクロバスで伊勢原駅に行き、周辺のスーパーなどで買い物を楽しんだ。運行期間は週1回、来年3月31日まで。
地元住民の要望から生まれた買い物支援バスは、毎週月曜午前11時に高森2丁目を出発。東高森団地方面へ6カ所の停留所を経由し、目的地の伊勢原駅や市内板戸のエムアイプラザに向かう。買い物時間はおよそ1時間で、その後迎えに来たバスで停留所に戻る。運賃は無料。乗車には事前予約が必要となる。
運行初日。事前に申し込んだ地元住民ら13人が各停留所から乗車した。地元有志7人もボランティアスタッフとして同乗し、バスの乗り降りを手伝った。この日は天候にも恵まれ、皆笑顔で買い物を楽しんだ。
5日分の食材を購入したという吉原ノブさん(87歳)は「楽しくお買い物ができて良かった」とにっこり。普段は最寄りの停留所まで5、6分歩き、バスと電車を乗り継いで伊勢原駅に向かうといい「帰りの徒歩を考えると重い荷物はしんどい」と吉原さん。「ですが、支援バスは近所まで送ってくれるので買い物をためらわずに済む。それがありがたい」と語った。
来年度は未定
きっかけは地元の声だった。あかね台や東高森団地では高齢化の影響もあり、外出が困難な人が少なくない。そこで昨年11月、住民有志らが市社協に支援を要請。これまで市社協では地域課題の把握、解決に努めてきた経緯もあり、バス運行への協力を受諾した。
今年1月には住民アンケートが実施されるなど、住民の声を反映する形で行き先や停留所の位置が決まっていった。運行に使われるマイクロバスは28人乗り。市社協所有の車両で、運転手の人件費や燃料代、保険代などは市社協に寄せられた寄託金を活用している。
試験運行は来年3月まで。来年度以降については未定。市社協担当者は「今年度中に運行のあり方を住民の皆様や自治会の方で検討していただきたい。今後も可能な限りの協力はさせていただく」と話している。
問い合わせは市社協/【電話】0463・94・9600
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