日本の名勝として人々の心を掴む、富士山。秦野市曽屋在住のアマチュアカメラマン・小松均さん(53)も秀峰に魅せられた一人だ。小松さんは富士山の様々な表情をとらえた作品で、多くの賞を受賞している。
小松さんは幼少期に高熱が原因でほぼ聴力を失い、その後21歳の時に交通事故に遭ってしまい余儀なく車いす生活となった。現在はデザインの仕事をしながら、休日は趣味のカメラを楽しんでいる。
全国コン続々入賞
公益社団法人日本写真協会・東京写真月間2017実行委員会が主催する「写真の日」記念写真展では、ネイチャーフォト部門協賛会社賞を受賞。受賞作『天変地異』は、昨年11月の早朝、凍りついた季節外れのヒマワリをカメラに収めた。妻のキヌエさんに車いすを押してもらい、納得がいく写真が撮れるまで何度も通ったという。当日は日の出前から赴き、花の向きを考えながら同じ場所を行ったり来たり。富士山が朝日に照らされた時、霜がついたヒマワリにシャッターを切った。同コンクールは応募3度目で初受賞。「凍ったヒマワリは初めてだったので印象的だった。レベルの高いコンクールなので嬉しく思う」と喜んだ。6月16日(金)から21日(水)まで、「緑と水の市民カレッジ」(東京都千代田区日比谷公園1の5/無料)で展示会が開催されている。
弘法山公園で撮影した『朝焼けの富士』は、NJPフォトコンテスト2017で佳作に入選。昨年12月、お気に入りの撮影地で日の出を待ち、赤く染まっていく富士山を見て「これだ!」と思うと同時にパシャリ。満足の出来となった。
富士山がまるで笠を被ったような姿をとらえた『笠雲』。2014年5月に静岡県富士宮市で撮影した作品で、日本山岳写真協会が主催する協会展に入選。運転中に初めて見た笠雲に驚き、すぐに停車してカメラを向けたという。同作品は展示会で全倍(600㎜×900㎜)サイズで展示される予定で、喜びはひとしおだ。会場は東京都美術館(台東区上野公園8の36)で、8月31日(木)から9月8日(金)まで。
雪解けの富士山と、手前に広がる山中湖。『五月の富士』は、昨年5月に湖畔を運転している時、偶然気持ち良さそうに泳ぐ白鳥が目に入り撮影。第47回全国アマチュア写真公募展(新日本写真協会主催)で入選した。富山県で開催される展示会で展示予定(8月28日(月)、29日(火))。
自分だけのインパクトを
車いすの移動は、段差がある場所や狭い道は通れない。撮影活動の支えになっているのは、妻・キヌエさんの存在だ。一緒に撮影旅行に出かけることもあり、「妻の協力は大きいです」と感謝する。
車いすの低いアングルから被写体を覗き込んだり、時には腕を高く上げてシャッターを切ることもある。「構図を工夫して、自分だけのインパクトのある写真を撮りたい。夢は、釧路の鶴と鷲をカメラにおさめることです」
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