さがみはら中央区版 掲載号:2021年1月1日号 エリアトップへ

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ニューノーマル時代を切り拓く教育と福祉の在り方

掲載号:2021年1月1日号

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 昨年は新型コロナウイルスの脅威に見舞われ、世界的に大きな転換期となりました。今回は2021年新春企画として、児童福祉学科で保育者を、また、専攻科介護福祉専攻で介護福祉士を養成する学校法人和泉短期大学の伊藤忠彦理事長と、市内最大規模の社会福祉法人である相模福祉村の赤間源太郎理事長に、教育と福祉という互いの分野において、コロナ禍の対応や変化、これからの社会に必要な人材、今後の連携などについて語り合っていただきました。(敬称略)

 ――昨年は新型コロナウイルスが各方面に多大な影響を及ぼしましたが、事業の変化や、新たに生まれた取り組みを教えてください。

伊藤 大学での教育は対面でするものという思いでやってきましたので、コロナ禍は教育の在り方を問い直す機会となりました。本学では4・5月は休講とし、6月から対面と遠隔を組み合わせた「ハイブリッド型授業」を展開しました。6月に幼稚園実習がありましたが、8割以上の園が実習を受け入れてくださいました。また、9月の保育所・福祉施設実習でも多くの園・施設に協力をいただきました。コロナ禍でも実践現場との連携の中で保育・福祉人材養成を止めないことの大切さを実感しています。この度のコロナ禍では、保育・福祉の担い手が「エッセンシャルワーカー」として社会の注目を浴びました。現場と連携し、質の高いエッセンシャルワーカーを養成してまいりたいと思います。

 ――相模福祉村でも受け入れをされているのですか。

赤間 はい。和泉短大さんに限らず学生の学びの機会を失わないよう、検温や衛生チェックなど感染対策や安全管理を徹底して受け入れを行ってきました。

 ――ある程度コロナが収束した後も和泉短大ではハイブリッド型の授業は活用されるのですか。

伊藤 はい。ハイブリッド型は継続する予定です。教育の在り方は時代や社会の要請に応じ形を変えていくものかと思いますが、「手取り足取り」という原点も大切にしなければならないでしょう。特に本学は人と関わる専門職を養成する大学ですので、対面での関係を大切にし「人づくり」をしてまいりたいと考えます。

 ――一方、福祉施設においてはコロナ禍の影響はどうでしたか。

赤間 先ほどエッセンシャルワーカーという言葉がありましたが、まず一つは職員が置かれている環境です。コロナがまだまだ未知数な中で感染者を出せないという怖さがあり、精神的な不安は職員にとっては辛い時期がありました。また、福祉施設というのは地域とのつながりが大変重要なのですが、さまざまな地域行事が制約されてしまいました。あと何よりも、障がい者施設や保育園では散歩などの活動の場を制約されてしまったこと。高齢者施設では面会もリモートでは行いますが、ご家族に直接会う機会が今もなお制限されており、果たしてそれでいいのかなと思います。少しでも配慮をしていけたらとは思っていますが、まだまだ制約はある状況です。一方、コロナ禍では福祉業界が弱かったデジタルの部分、ICTを利用した取り組みが加速したという、ある意味でメリットもありました。人の熱量や温度を伝えるという部分ではリモートでは限界があるかもしれませんが、デジタル化の加速という部分は、改めて見直すきっかけになったと思います。

 ――今のお話も踏まえ、2021年のそれぞれの業界を占ってください。

赤間 介護保険制度や障害者総合支援法の報酬改定が見直しされるなか、これからの福祉には効率性も求めるよう国は示しています。特に間接業務などの効率性を高めながら、利用者さんが安全に、かつ職員の負担を少しでも軽減できるようなシステムというのは急速に進んでいくでしょうし、それはこの業界で大切なことだと思っています。相変わらず人材確保は大変ですが、コロナ禍でも他業界と比べると福祉は安定していると言えます。そういう部分では、より良い人材や他業界の新しい感覚、知恵をいただきながら、福祉の向上につなげていければと思います。あとは、変化に対し柔軟に対応できるリーダーが欲しいですね。この先、コロナに限らず災害などさまざまなことが考えられるでしょう。その都度、先のことを想定できる新しいリーダーの必要性が迫られているのかなと思います。

伊藤 和泉短期大学はキリスト教主義学校です。聖書では「艱難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生む」という言葉があります。コロナ禍は、確かに多くの艱難を私たちの社会に与えましたが、それを希望に変えていくことが大切です。コロナ禍で、教育は大きな変革を求められました。しかし、これはマイナスばかりではない。これを機に、それぞれの学校が未来を見据えた教育を展開しなければなりません。本学は、保育・福祉という専門分野での新しい教育の方法を提案できるよう努力していきたいと思います。

 ――次に「共生社会」についてお聞きします。高齢者や障がい者を取り巻く現代社会をどう感じていますか。

伊藤 福祉という言葉は「幸福」を意味します。一人ひとりが、それぞれの幸福を実感できる社会の実現が望まれます。子ども、障がい者、高齢者の生活も向上しつつあると思いますが、十分とは言えません。共生社会の実現は、常に途上にあるのだと考えます。

赤間 私は共生社会という言葉は一つのきっかけに過ぎないと思っていて、最終的には誰もが安心して暮らせるまちをつくることが到達点だと考えています。「共生社会って、みんなでこういうことをやっていくんだよ」というきっかけをつくり、まずは障がい者と健常者がそれぞれの空間から出てくる。そこで互いの価値観や考え方を初めて知るわけです。将来的には、国籍や習慣、文化、性別、いろいろな人が共生社会の中で混ざり、いろいろな価値観をみんなで理解し合おうというのが進みつつあります。共生社会というのは、まちづくりとか社会づくりだと思うので。そういう部分ではようやく準備が整ったと思っています。

 ――人材の育成について、それぞれのお考えを聞かせてください。

伊藤 学生には使命感をもって、保育・福祉という仕事に就いてもらいたいと考えます。本学では、それを「寄り添い、信頼される人」という言葉で表現しています。学生一人ひとりがどのような使命を自分が持っているのか主体的に考え、行動できるよう、本学でもより良い学びの場を提供していきたいと思います。

赤間 最近の若い子たちはすごく魅力を持っているんです。でも、自分ではそれをわかっていないところがあって、生き方はすごく器用だけれど、生きるのに不器用だなと。というのも、専門性や知識、技術というのは教えた通りに備わっているのですが、一方ですぐにストレスを抱えて悩んだり、すぐに躓いてしまったりする。自分の魅力をちゃんと知ったうえで、自己表現力や価値観というものをしっかり持ってくれたら良いのかなと。学校側がしっかり土台をつくってくださっているので、私たち会社組織は、いかにその人の魅力をうまく引き出せるかというのが課題だと思っています。あと、期待するのは自己成長。自分が将来、どういう人間になっていくのかを想像しながら学ぶ姿勢を持って欲しい。最近の子の多くは欲がないと思います。目標をしっかり持ってもらえたらもっと成長すると思うので、そこは期待したい部分です。

 ――相模福祉村が運営する障がい福祉サービス事業所「相模クラーク学園」の建物は2014年に和泉短大から譲渡された経緯がありますが、相互の連携に関して、お考えを聞かせてください。

赤間 以前から実習生の受け入れなどで関わらせていただいているところですが、現在、まだ具体的には進めていませんけれど、社会福祉法人の地域貢献という部分で、奨学金制度を創設して、学生さんの学びの機会を増やすお手伝いができればと考えています。大学側にご提案しながら、協働で何かができればと構想しているところです。

伊藤 本学は、保育・福祉の専門人材を養成しておりますが、それは大学だけで完結しません。現場との関係を大切にしながら協働・連携を深めることが大切だと考えます。この対談をきっかけに、今まで以上に、大学と地域の社会福祉法人と交流を進めていきたいと思います。

 ――相模原の未来、それぞれの今後の展望をお聞かせください。

伊藤 相模原市でも今後、少子・高齢化が進んでまいります。また、今日の話題にもなった共生社会に向けた取り組みも必要です。こうした相模原の未来に、大学は何ができるか、考えねばなりません。本学では「地域密着型大学」を目指しており、地域の一員として、地域とともに歩む大学を目指してまいりたいと考えます。

赤間 私たちは、引きこもりや虐待問題、障がい者の居場所づくりや就労など、相模原の多様な福祉課題を解決していくために事業発展をしていくつもりです。ただ、それだけではなく、コロナや災害時など、何かあった時に市外へ応援に行きマルチに活躍できる、福祉の枠を超えて相模原を支えていけるような人材が、これからとても大切になってくると思っていて、今、私たちの法人では、目先の仕事のほかに「あなたたちがしていることはもっと広域的なことなんだよ」ということを教えています。今年の目標としては、今まで以上に人づくりを丁寧に、そして加速させていきたい。あと、和泉短大さんから輩出された仲間たちも含めて、より広域に物事を見られる仲間づくりをしていけたら。それが相模原の宝になったら良いと思います。
 

社会福祉法人相模福祉村

神奈川県相模原市中央区田名6769-2

TEL:042-761-7788

http://fukushimura.or.jp/

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