相模原市消防局はこのほど、2023年の1年間の救急出場件数について、過去最多となり、初めて4万3000件を超える見込みだと発表した。8月には全救急隊が出払って消防車で駆け付ける事態もあったという。
相模原市の救急出場件数は12月19日の速報値で4万2143件に達し、新型コロナウイルス感染症が流行して4万2060件と過去最多だった2022年の同時期を約4%上回ったという。12月もインフルエンザの流行などが続いたことから、同局では初めて4万3000件を超えると見込んでいる。
出場件数が多かった最大の要因は、夏の猛暑により熱中症になる人が相次いだこと。 また1月から2月頃に新型コロナの第8波を迎え感染者の搬送が増えたことや、5月から6月頃にかけて乳幼児の感染症が流行したことなどが影響しているという。
全隊が出払いひっ迫
相模原市では近年、救急出場件数が増加する傾向を踏まえて救急隊の運用体制を見直してきた経緯がある。2019(令和元)年は24時間運用の救急隊18隊に加え、平日の日中に運用する日勤救急隊1隊だったが、翌20年には日勤救急隊1隊を追加。21年からは日勤救急隊1隊を24時間体制とし、救急隊19隊と日勤救急隊1隊の計20隊体制で運用している。
それでも真夏日が連続した昨年夏は救急出動のひっ迫度は増加の一途。1日の出場件数が過去最多の204件を記録した8月21日には、全救急隊が出払い、消防隊や日勤勤務の職員で補うケースがあったという。
半数が軽症
一方、病院に搬送した人員の3万4597人のうち、約52%にあたる1万7940人が軽症者だった。
相模原市消防局では「救急車は限りある資源です。搬送した傷病者のうち、約5割が軽症者です。真に救急車を必要とする方のために、救急車を呼ぶ前に落ち着いて判断してください」と呼びかけている。救急車の要請が必要かどうか迷ったときには救急受診アプリ「Q助」などを活用してほしいとしている。
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