不安や焦りにつけ込んでキャッシュカードを取りに来るなどの「特殊詐欺」が急増している。神奈川県内では10月末までに約28億円の被害が出ていて、昨年の約54億円と比較して減少しているとは言うものの、依然として多額の被害が発生している。
伊勢原市に目を向けると、11月6日までに27件の被害があり、7千万円超の被害が確認されている。市内でも件数は減ったものの、伊勢原署では年末までの残り1カ月でさらに被害が増えないよう警戒を強めている。
特殊詐欺は親族や警察官、弁護士などを装い、事件や事故の示談金などを名目に金銭などを騙し取る手口だ。警察で特に注意を呼び掛けているのが「キャッシュカード詐欺盗」だという。
オレオレ詐欺と同様、親族や警察官などを装い「あなたの口座が犯罪に利用されている」「カードの交換が必要」などと電話をかけて準備をさせ、自宅に取りに来た犯人が言葉巧みに暗証番号を聞き出し、隙を見て他のカードなどとすり替える。生活安全課の鈴木泰夫課長は「封筒に封をしてカードを用意させ、隙を見て犯人が用意してきた封筒とすり替える。中が見えないので、すり替えられても気が付きません」と話す。市内で発生した特殊詐欺27件のうち21件がキャッシュカードによるものだという。
騙されないためにはどうすれば良いか。「電話で『キャッシュカード』と言われたらそれは詐欺です。還付金がある、未払いの料金があるなど身に覚えのない電話には気をつけて下さい。焦って一人で判断せず、一旦落ち着いて周りの家族や友人、警察に相談してください」と話す。
さらに対策として、家の電話を留守番電話に設定するのが効果的だという。ただし留守番機能が作動する前に受話器を取らないようにする。「自分だけは大丈夫と思わず、対策の徹底をお願い致します」。
毎日特殊詐欺の電話あり
市内には10月からほぼ毎日犯人グループから特殊詐欺の電話がかかってきているという。伊勢原署では通報を受けるとすぐ電話がかかってきた地区を警戒。不審者の発見や市の防災無線、くらし安心メールで注意喚起をしている。他にも金融機関やコンビニと連携して、高額の引き出しなどに対して声かけを要請。被害を未然に防ぐための対策を講じている。
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