市内三ノ宮在住の野田喜久富さん(71)は、2年ほど前から三線を手作りしている。
沖縄県や鹿児島県の奄美群島で主に用いられている三線。与論島出身の野田さんは、勤め先でビワの木を切って木刀を作った時に、中の木肌がきれいだったことから、「何かに使えないか」と考えていたところ、子どもの頃に父親が三線を作っていたことを思い出し、自身でもやってみようと思い立ったという。
もともとモノづくりが好きで、趣味で木工などを楽しんでいた野田さん。三線も弾けたので独学で三線作りを学び、すぐに夢中になった。
エレキ三線も開発
そこから野田さんの制作意欲に火が付き、自宅の敷地に手作りした工房で、近所でもらった竹やカヤの木などさまざまな木材を用いてオリジナル三線を制作。
「せっかくだから他にはないものを作りたい」とヘッドの部分をバイオリンのような形にしてみたり、宴会で演奏するために「エレキギターみたいにできないか」と集音器を仕込んで「エレキ三線」にするなど、これまでに40本ほどの三線を制作した。
「1本作るのに3〜4日。作っているときは、完成したらどんな音が出るのか楽しみで全然、飽きない。手がかかるほど楽しい。朝から晩まで没頭してしまう」と笑顔で語る。
本来三線は、音を出す胴の部分に蛇の皮を貼るが、野田さんは「皮が手に入らないから、試行錯誤してアクリル板にたどり着いた。胴の部分は木が厚いとダメで、薄い方が音が良いが、薄すぎず厚すぎない調整が難しい」と話す。
今後は、三線をより多くの人に知ってもらうために、演奏活動やワークショップもやってみたいという野田さん。伊勢原に住んで40年。これから3カ月間、故郷の与論島に帰省し、「のんびり釣りを楽しんで過ごす」と嬉しそうに語っていた。
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