三ノ宮に住む長嶋栄一さん(75歳)がこのほど、奈良県にある法隆寺五重塔の1/20のミニチュアを完成させた。
地元で工務店を営んでいる長嶋さんが、五重塔を作るきっかけとなったのは、数年前に興味本位で購入した市販のプラモデル。1/75サイズの法隆寺五重塔を完成させた時、「仕事場で出る廃材を使っても、同じように作ることができるのでは」と思い立ち、さっそく作業を開始した。
長嶋さんは、プラモデルの部品一つひとつを細かく観察して、ケヤキの端材を同じようにかたどった。できた部品は接着剤を使ってていねいに組み立てていき、間もなく塔は長嶋さんの身長を越えた。「(柱の上に横に渡す)ケタの取り付けなどは特に苦労しましたが、とにかく楽しく取り組みました」とおよそ1年半にわたった作業を振り返る。
大工の家庭に育った長嶋さんは、夜間高校を卒業後、大工の見習いとして修行を開始した。75歳の現在も現場に出て後進の指導を行うなど、仕事にも精力的に関わっている。「長くこの世界で仕事をしているから、今回のような挑戦をしようと思ったのかな」と長嶋さんは話す。
今後の創作については、未定というものの、「作品を見てくれた人が喜んでくれたらうれしい。機会があれば、また挑戦しようかな」と、長嶋さんは自宅玄関の脇に堂々とそびえる塔を眺めながら語った。
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