伊勢原警察署(植松宏文署長)は4月16日、春の行楽シーズンを迎え、大山への登山者の増加が予想されることなどから、大山寺付近の山中で津久井署員や本部地域総務課航空隊特務班員と合同で山岳遭難救助訓練などを行った。
登山者が崖から滑落したとの想定で行われこの日の訓練。伊勢原署の地域課に所属する山岳遭難救助隊員が、負傷した登山者役の隊員を背負って、高さ約7mの崖からロープを使って降下する訓練などを行った。
また訓練後は山岳パトロールを実施。大山寺から大山阿夫利神社下社、山頂、見晴台の約6Kmのコースを7時間かけてパトロールし、道標などの確認を行った。
過去10年で最多の山岳事故
伊勢原署によると、大山では昨年45件の山岳事故が発生し、過去10年間で最多となった。特に増加したのが紅葉シーズンで、11月は1カ月で14件の事故が発生した。
救助者の中には、下山時間や休憩時間など自身の体力を考えず、昼過ぎから入山し、日没や疲労から自力で下山できなくなる人が多かったことから、同署では大山阿夫利神社下社付近に署員を配置。軽装な登山客にライトの有無や、登山カード(登山計画書)の提出などの声かけを実施し、事故の防止に努めていた。
登山カードの提出を
大山駐在所勤務で山岳救助隊の北條保徳警部補は「山岳救助隊はチームワークと信頼関係が大事。2次災害を起こさないよう日頃から訓練を重ねていく」と話し、登山者には「今年すでに7件事故が発生している。登山の際は十分な下調べと装備、登山カードを提出してほしい」と呼び掛けている。
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