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藤沢版 公開:2016年3月11日 エリアトップへ

山本昌広さんが引退登板 野球 「さらば、レジェンド」

スポーツ

公開:2016年3月11日

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笑顔で慣れ親しんだナゴヤドームを後にした
笑顔で慣れ親しんだナゴヤドームを後にした

 球界のレジェンドが1日限りの復帰を果たした。日大藤沢高校出身で昨年、32年間の現役生活にピリオドを打った元中日ドラゴンズの山本昌広さん(50)が3月5日、ナゴヤドームで行われたオープン戦(対東京ヤクルトスワローズ戦)で先発登板。この日、引退試合のため1日限りの現役復帰となり、最後の登板を慣れ親しんだ本拠地で締め括った。

 一際大きく振り被るフォーム。いつものテンポで試合前のキャッチボールを終えると大歓声に迎えられてマウンドに向かった。「投球練習を終えてこれで本当に最後なんだと改めて感じた」と山本さん。 プレイボールがかかると、森岡良介選手に渾身のストレートを続けテンポ良く追い込むと、決め球は伝家の宝刀スクリューで3球三振で締めた。

 この日の最速は114キロと最盛期には程遠かったが、山本さんは「不安はあったがはじめて楽しんで投げることができた」と爽やかな笑顔を見せた。登板に向け、引退後に始めたキャスターの仕事などを直前の3日間は完全にオフにして、ナゴヤ球場で追い込んだ。それまで連日の仕事でほとんど練習はできていなかったというが取材先のフロリダでは自身が1A時代に使っていた練習場で投げる機会にも恵まれた。

 また、選手として最後となるナゴヤドームに向かう前には長年、登板日に日課にしてきたスカウトの高木時夫さんの墓参りをしてから球場入り。いつもと変わらぬ流れを守り、試合1時間前にウエートルームに入ってからマウンドに立った。山本さんは「いつもより緊張していたかな。500試合以上先発したけどこれは変わらない。3球で終われてよかった。練習すればまだまだできるかな」と振り返り、周囲の笑いを誘った。

「いつかまたユニフォームを」

 試合後のセレモニーでは谷繁元信監督や岩瀬仁紀投手をはじめ、自主トレーニングを続けたワールドウィングジム=鳥取県=の小山裕史代表から花束を受け取ると涙を浮かべる場面も。山本さんは「これから野球をしっかり勉強していつかまたユニフォームを着て戻ってきたい」とファンに約束した。

 現役最年長勝利記録をはじめとした輝かしい記録を歴史に刻んだ球界のレジェンド。「世界一幸せなプロ野球選手でした」とスピーチを終えると、32年間こだわり続けた背番号34に別れを告げ、新たな歴史を作るべく初めの一歩を踏み出した。
 

試合後のセレモニーではチームメイトから胴上げ
試合後のセレモニーではチームメイトから胴上げ

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