市内在住の渡辺陽子さん(77)がこのほど、自身初となる小説『熱帯雨林のはざまにて』を出版した。
文芸社発行で四六上判、270頁(税別1500円)。マレーシアの森林を開拓し、大正から昭和初期にかけてゴム農園経営に人生を賭けた日本人夫婦の姿を描く。妻・蝶子を主人公に、密林に生きるトラなど野生生物との遭遇や現地住民との軋轢も叙述。さらに、明治期に始まる女性解放運動の変遷や、男女同権思想の拡大など当時の世相描写にも紙幅を割いた。
市内で小説作法を教える芥川賞作家・宮原昭夫さんの講座で学んだ渡辺さん。着想のきっかけは、実際にマレーシアでゴム農園を運営していた義理の叔父夫婦の体験談だった。「当時の女性はいまと違い、もっと苦しい状況で生きていた。昔の女性たちの生き様を、特に若い方々に読んでいただきたい」と話している。
同書はインターネット通販のアマゾンで購入できる。
|
<PR>
藤沢版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|