完成イメージ（鶴岡八幡宮提供）
鶴岡八幡宮（鎌倉市雪ノ下）境内に建ち、２０１６年３月に閉館した「旧神奈川県立近代美術館鎌倉館」が新たな施設に生まれ変わる見通しとなった。県から敷地と建物の返還を受けた同宮がこのほど発表したもので、鎌倉の歴史や文化を発信する施設として再出発する。開設は19年春予定。
施設名は「鎌倉文華館鶴岡ミュージアム」。鎌倉や同宮にまつわる歴史や文化を企画展やイベント、セミナーを通じて紹介。資料や作品の収集、調査研究なども兼ねており、同宮担当者は「博物館と美術館の要素をそなえた施設になる。文化拠点として、多様な事業を行っていきたい」と話す。
建物は県指定重要文化財に指定されており、昨年９月から耐震改修工事を実施。今後はエレベーターを新設するなどしてバリアフリー化も図りながら、来春の開設を目指していく。
同館本館は、20世紀を代表する近代建築家ル・コルビュジエのもとで学んだ坂倉準三が設計。戦後モダニズム建築の傑作と評されており、１９５１年に日本初の公立近代美術館として開館して以来、「カマキン」の愛称で親しまれてきた。
県は当初、同宮との借地契約が終了する16年３月末までに建物を解体した上で土地を返還する方針を示していた。しかし市民による署名運動などを経て、15年に本館棟の保存が決定。美術館が閉館した後の一昨年末に同館建物を含む敷地が返還されていた。
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