昨年の夏。大会1回戦。4対4で迎えた延長11回裏、満塁のピンチで投じた1球はボールとなり、サヨナラ押し出し負けを喫した。「あの日のリベンジをするために1年間頑張ってきた」。雪辱に闘志を燃やすのは、押し出しの四球を与えた蔵品絢介(けんすけ)(3年)。現在はエースでキャプテンを務めるチームの大黒柱だ。
湘南台高校野球部の部員数は20人。選手の練習着の背中には「敢為邁往」の4文字がプリントされている。『目的に向かって、困難をものともせず、まっしぐらに進むこと』を意味するチームのスローガン。グラウンドには、毎日活気ある選手の声が響く。
同部の特徴の一つは、豊富で独特な練習メニュー。
同部を率いて6年目となる宇留志剛監督が「野球が好きな子どもたち。どうやったら上手くなるのか、頭をひねっている」というように、その練習の数は、50を超える。バットをやり投げのように投げる練習などは、その意外性からテレビ局の取材を受けたことも。
そのほとんどは、選手の経験不足を補おうと、実践を想定したものが多い。キャッチボールでも、補球動作から、牽制球の動作から球を投げるなど、試合を想定した工夫がされている。
そんな中で、力をつけてきたのが蔵品。自身の投球を「球速は遅いけど、コントロールが武器。練習で培った回転数の多い、伸びのある球が持ち味」という。キャプテンとしては、あまり口数が多くなく「背中で引っ張るタイプ」だとか。
今夏の大会へは、昨年できなかった初戦突破が大きな目標。「試合には、いつもブラスバンド部が応援してくれるが、まだ勝利を見せられていない。初戦突破し、監督やコーチと一緒に、みんなで喜びたい」。その右腕に期待がかかる。
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