選手から裏方に回った一人の部員が、夏の大会に向け日大藤沢の野球部を支えている。神庭悠太(3年)は、「チームのために、甲子園に出場するために、自分に何ができるのか」と考えた末に、最後の夏は選手を支える道を選んだ。
父の勧めで、3つ上の兄といっしょに野球を始めた。小学生のころに初めて見た高校野球の試合が、日大藤沢高校。「カッコ良かった」と選手に魅了され、憧れの野球部へ入部を果たした。プロ野球選手も出ている強豪校だけに、練習は厳しかったが、辞めようと思ったことは一度もなかった。3年間、仲間たちと切磋琢磨しながら甲子園を目指してきた。
6月、夏の大会のメンバーが発表され、自身の名前は呼ばれなかった。コーチからは事前に「サポート役をしてくれないか」と依頼があったが、選手の道を閉ざすことに迷いがあり、答えを出せずにいた。「メンバー入りできなかった自分に何ができるのか」。再度メンバー入りのチャンスを狙うのか、それともサポート役として選手を支えるか。悩んだ末に、両親の「少し離れた所から野球を見るのも良い経験になるんじゃないか」との言葉が裏方にまわる後押しとなった。
同部では、サポート役は神庭ひとり。見本となる先輩もいない。コーチや監督から指示はあるが、具体的な内容は自分で決める。「選手が練習しやすいようにするのが一番」と、バッティングピッチャーやノック、グラウンド整備、試合に出ない選手の練習相手なども買って出る。「休めないので、選手のころよりも忙しい」と笑顔を見せる。「サポートした選手が活躍してくれるとうれしい」と楽しさも分かってきた。
思い続けた甲子園出場へ、チームの為に全力を尽くす。
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