藤沢市内在住の薬剤師、遠藤好彦さん(39)が10月23日からメキシコで開幕する「アンプティサッカーワールドカップ(W杯)」に日本代表選手として初出場する。
アンプティサッカーは米国発祥の障害者スポーツ。1980年代、ベトナム戦争の負傷兵のリハビリとして考案され、その後各国に広まった。
1チーム7人制で、フィールドプレーヤーは下肢、ゴールキーパーは上肢切断者が務める。クラッチと呼ばれる杖を使って試合を展開するのが特徴で、医療用の杖を両腕につけ、体重を支えながらボールを追いかける。
事故で人生のどん底に
遠藤さんは小学生からサッカーに親しんできたが、大学1年のとき、自宅近くでバイク事故に遭い、やむなく右脚を切断することに。「もう終わったと思った。サッカーをしたり、バイクにも乗れないと知りショックだった」と振り返る。まずは復学するため、車いすバスケや水泳などスポーツのリハビリに懸命に取り組んだ。だが、ボールを蹴る動作では杖が滑ってしまい、どうしても転倒を繰り返してしまう。「もうサッカーはできない」。身を切る思いで競技から退いた。
大学卒業後、薬剤師として仕事を始め、35歳の時、妻がアンプティサッカーの体験会に応募。当初は気が進まなかったが、思い切って参加した。いざ体験してみると「クラッチを使って走ったり、ボールを蹴るのが楽しくて」。何より、またサッカーがプレーできる喜びが背中を押した。その後クラブチームに入団。試合でMVPを獲得するなど結果を残し、ついにW杯の切符をつかみ取った。
大会を前に遠藤さんは「薬剤師の知識を生かして体調管理し、万全の状態で試合に挑みたい」と意気込んだ。
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