市内3500の会員企業を抱える藤沢商工会議所。本紙ではその船頭として舵を取る増田隆之会頭にインタビューした。初の中長期計画策定や震災リスク対応が始まるなど、今年は節目の年となりそうだ。
――まず、商工会議所の役割を教えてください。
「第一義が市内中小企業の活性、発展を推進することです。またその企業の潤いが市の財政を豊かにし、市民サービスに還元される、まちづくりを経済の面から支える拠点であります。企業の発展に関しては、資金面では融資のお手伝いや補助金獲得に向けた支援、経営に関しては診断からアドバイス、また近年、課題として挙げられている従業員の皆さんのワークライフバランスを考えた働き方改革を率先して進め、旗振り役を務めています。また、行政とのパイプもしっかりしており、まちの発展につながる産業の振興のために必要な提言をしています」
――初の中長期計画を策定すると聞きました。
「はい。5カ年計画の策定作業を進めています。これは、会議所議員はもちろん、会員の皆さん、職員の皆さんとともに未来に対するビジョンを共有するバイブルとなるものです。地域産業の振興、都市基盤の整備促進、地域活性化の推進など7本の大きな目標を掲げ、1年、1年どう取り組むか、また単年度ごとに行動評価と改善を進めていきたいと考えています。今年4月に公表予定です」
――新たな取組みとして被災対応を考えていると。
「東日本大震災の復興支援の一環で、現在1階に東北復興支援の物産店を開いています。その縁から福島県いわき市との交流が生まれました。被災した市町村の行政機能はまひしてしまい、国や県の復興施策があっても手が回らないということも少なくないと聞きました。もし、そういう事態になった時、地元企業の皆さんを支える為に商工会議所として何ができるのか、どんな準備が必要なのか、現在、いわき市の方からアドバイスをいただきながら調査しております」
――全国的な課題の黒字廃業に関しては。
「全国の中小企業の廃業の内、約50%が黒字といわれています。事業承継できないという状況は大きな課題となっています。事業承継したい人に対する支援はもちろんですが、事業承継をまだ真剣に考えていない人やイメージしていない人も多い。その方々に対しても積極的にアプローチして、準備をしてもらい継続的な市内産業の発展につなげていきたいと考えています」
――注目される藤沢駅周辺の再整備については。
「継続的な賑わいを作り出すことを念頭に、関係団体の皆さんと、駅周辺を一元管理するエリアマネジメント組織の立ち上げに向けて勉強中です。一元管理は主催者の煩雑な事務手続きの軽減や、開催を継続することで得られる経験を手法の効率化や実効性のアップに役立てることができます。常に人が集まり楽しめるそんな場所にするために今後も皆さんと協働していきたいと思います」
――外国人観光客誘致に関しては。
「東京五輪のセーリング競技会場として江の島があることに加え、県内ではラグビーワールドカップの開催など世界的なビッグイベントは好機ととらえています。江の島、時宗総本山の遊行寺、海産物、果樹、野菜など藤沢の魅力を発信し観光振興に取り組んでいきます。また国内有数の観光地である鎌倉の商工会議所と連携し、キャッシュレス決済の導入促進をいたします。利便性の向上で、より回遊性を高めたいと考えます」
――市商連と開催したまちゼミが好評でしたが。
「商店主が講師になり市民に専門的なセミナーを開く企画です。市商店会連合会さんと一緒に進めている企画です。11月に辻堂、藤沢駅周辺があり、今年2月には市北部で開催予定です。私自身が商店街出身ですから思い入れもあります。昔ながらの世間話をしながら、商店を通して『顔が見える地域』を作り上げていく。安心安全のまちというのもここから生まれてきます。また、この企画を通してやる気のある事業主や若手事業主がネットワークを築き、次の一手が生まれる、そんな好循環にも期待して継続支援をしていきたいと考えています」
――市民に向けて一言。
「スタッフとともにこれからも地域経済の発展に向けて尽力していきます。経営、創業の相談はもちろん、パーティもできる貸し会議室やホールもぜひご利用ください」
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