新江ノ島水族館が誕生して15年。来場者数も2017年にはのべ2000万人を達成した。同館では日本初で国の研究機関JAMSTECと協力し、深海生物の共同研究を行っている。飼育員の仕事の裏側とは。
「深海生物は謎ばかり」と飼育員の杉村誠さん。同館には世界で唯一、潜水調査船からしか見られない深海の環境を再現した「化学合成生態系水槽」があり、現在7種類が展示されている。一般的に深海とは水深200m以上の海域。さまざまな薬品を使い、硫化水素やメタンガスのある実際の環境を再現している。
杉村さんによると、深海生物は生態系が不明なことも多く、数日で死んでしまう生き物も多かった。研究を重ね、今では多くが100日ほど生きられるように。たとえば、自分の胸毛で育てたバクテリアを食べる「ゴエモンコシオリエビ」は2、3年かけ、安定した飼育が可能になった。JAMSTECや京都大学と共に餌となるバクテリアを増やす方法を研究の末に見つけ、長期の飼育にこぎ着けた。過去には繁殖にも成功。現在、30匹が展示されている。
杉村さんは「生物飼育というより、環境研究がメイン。飼育方法の答えを探すのは大変だけど、やりがいになっている」と話した。
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