2025年にはIT革命に次ぐ「ET革命」が起きる――。
ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さん(72)が名誉市民の称号が贈られた先月30日、藤沢市民会館で特別講演を行った。「リチウムイオン電池から考える未来社会」と題し、30年以上に渡る研究開発や電池が活用されている現在、予測される未来について語った。
吉野さんはノーベル化学賞の受賞理由の一つに、「地球温暖化など環境問題解決に対する大きな期待があった」と説明し、「大変な責務を負わされたなと感じた」。
リチウムイオン電池が商品化され、現在世界各国で「Environment(環境)」と「Energy(エネルギー)」を軸にした研究開発が進められているといい、大阪・関西万博が行われる2025年にはIT革命に次いで「ET革命が起きる」と予見。また今後は「環境、経済性、利便性がバランスよく合致した社会が求められる」と話し、電気自動車の普及を例に「ET革命でスマート(環境問題が解決された)社会が実現されれば、インフラが今とは劇的に変わる」と展望を述べた。
また講演後は司会者のインタビューに応じ、「(リチウムイオン電池が)世に出て3、4年全く売れなかったのは辛かった」との苦労話や「週末は藤沢でテニスをしていて、終わった後のビールも楽しみ」など私生活のエピソードも披露。若い人に向けては「自分が研究を始めたのが33歳のとき。35歳前後は大きなことができる時期なので、そこに向けてエネルギーを蓄えて」とアドバイスした。
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