政府による7都府県への緊急事態宣言を受け、保育所の登園自粛が本格的に始まった。県内では自治体によって対応が分かれるが、藤沢市では保育は継続しつつ、一部職種の保護者を除いて受け入れを事実上制限。保護者の間には戸惑いが広がったが、感染症拡大防止が急務とあり、市が理解を求めている。
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市では9日、鈴木恒夫市長名義で保護者に登園自粛を要請。具体的な職種をあげながら、それ以外の保護者は登園を自粛するよう強く求めた。
対象外としたのは、両親(または一人親)が▽医師や看護師など医療従事者▽電気・水道など公共インフラを支える職種▽高齢者施設、保育所など福祉従事者▽食料品や医薬品の販売など国民生活に密接にかかわる業務従事者―に該当する場合。県は保育を含む日常生活に必要な事業の継続を求めているが、市独自に保育所利用者のハードルを引き上げた格好だ。
背景には、人との接触機会を「8割程度減らすべき」とする国の指針がある。市保育課によると、これまでも複数回登園自粛を求めてきたが、応じたのは「2割程度」。市内に80以上ある保育所関係者からも感染リスクを懸念する声があがっていたといい「登園時は送り迎えがあり、その分だけ接触回数が増える。自粛することが最大のリスク軽減になる」と対応を一歩踏み込んだ。
鵠沼神明の保育所に2歳半の子どもを預ける40代男性は「状況が状況だけに仕方がない。子どもと一緒にいれば感染も防げる」と前向きにとらえる。仕事は在宅に切り替えるという。
ただ、在宅対応が困難なケースもある。5歳の息子を預ける製造業の30代女性は「仕事は休めず、子どもを預ける先もない。どうしたらいいのか」と途方に暮れた。
市では「自粛は強制ではない」と前置いた上で「感染拡大の防止が最優先。どうしてもという場合は、適切に個別対応していく」としている。
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