昨年は「一大旋風」を巻き起こした1年だった。春季県大会は4強の一角、慶応を完封し、26年ぶりベスト8に。夏は4回戦で敗退したものの、強豪・横浜商業を相手に1点差まで詰め寄る躍進ぶりだった。当時2年生で唯一、レギュラーとしてグラウンドに立ったのが、主将の小栁琉哉(3年)だ。
強豪校にも引けを取らない強力打線を武器に、近年は”ダークホース”とも目される。だが、昨夏の快進撃以降は主だった成績が残せていない。新チームに移行後、練習試合で負けが続き、昨秋県大会は1回戦敗退。昨年攻守でチームを支えた「2枚看板」の不在が要因だった。
「このままで終わるのか」。春、夏と続けて大会中止が発表され、代替大会の実施も不透明な中で、言いしれない悔しさだけが募っていった。いや、終わってたまるか―。
「自分たちの代で、皆で、もう一度あの場所に立ちたい」。外野席まで埋め尽くす観客と特大の声援。脳裏に焼き付くのは、昨夏の横浜商業戦だ。今年は無観客で声援も飛ばないことは分かっている。でも―。その思いが部活動再開後の原動力になった。
掲げるのは「全員野球」。「主役はいなくても、チーム力があれば強豪にも立ち向かえる」。あいさつ、時間厳守、声の率先、返事。代々続く心構えの初心に立ち返り、結束力をどう高めるか腐心を重ねる。
点を取られても取り返すがチームの信条。他の部活動との兼ね合いから練習環境は決して恵まれているとは言えないが、代々工夫しながら自分たちだけの武器を磨いてきた。「皆の意志をひとつに」。その確たるチーム力こそが、今夏、大番狂わせへの矛だ。
|
|
|
|
|
|
|
<PR>
藤沢版のローカルニュース最新6件
|
|
|
郡の中心から商業の街へ「長後」5月3日 |
|
|
|
<PR>