「いくぞ」「おう」。飛び交う掛け声に交じって、諏訪間優多(3年)が額の汗を拭いネット裏へ駆けてきた。三宅裕太監督から告げられた「夏のエース候補として考えている」。投手陣3枚看板の一角を担いながら、一度も「1」を背負ったことの無い諏訪間にとってその知らせは「ただびっくりした」。冷静を保ちつつも驚きを隠せなかった。
昨秋の地区大会では石渡永遠(3年)、続く県では阿部洋希(3年)がエースを務め、ベスト32を決める試合で私学に敗れた。悔し涙をバネに冬から投球フォームの改良と取り組み、春先にいい方向へ向かっている―。そう思った矢先。部活動が中止となり「悔しい、もどかしいでは言い表せない」。チームも春に向けて気合を入れたところだった。
目標を失い士気が下がる部員も出る中で開かれた、部員全員参加のオンライン会議。副主将でムードメーカー、ガッツでチームを引っ張ってきた諏訪間が盛り立てた。「それでも頑張ろう」
主将・西原翔大(3年)曰く「ストレートの回転がきれいで球速以上にのびる球がある。バッターの立場だと苦戦する」。その強みを磨き、いつ練習が再開してもいいように、自主練してきた最中。代替大会の開催が決まった。「開催を決めて下さった全ての方に感謝したい」。グラウンドに戻ると、自主練ではできなかった声出しで「戻ってきた」と感じ、野球ができる喜びをかみ締めた。
目標は代替大会になる前と変わらず、県ベスト4。「自分の投球でチームに勝利をもたらしたい」。3投手がしのぎを削り、真のエースを目指す。チームを導く夏の戦いはもう始まっている。
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