新型コロナウイルスをきっかけに働き方や生活様式が変容する中、地域経済も回復に向けた模索が続いている。果たして”処方せん”はあるのか。各業種や団体関係者に話を聞いた。
――藤沢を起点にしたバスツアーの企画・販売をされています。コロナ禍での現状は。
「当社は2018年10月に起業した小さな旅行代理店です。緊急事態宣言が出された4月以降全てのツアーが中止になり、8月までの5カ月間売り上げがゼロという状況が続きました。9月に入って多少復調傾向はあるものの、前年の3、4割程度。事業が軌道に乗り始め、新しいツアーを充実させていった時期だけに大変な打撃でした」
――政府が打ち出した「GoToキャンペーン」の影響は。
「対象商品を複数設けていますが、当社のような小さな事業所にはあまり追い風になっていないのが実情です。我々が企画する団体旅行は、発表から催行まで2、3カ月の期間を設けるのが一般的で、コロナ禍による先々の情勢が見通せない状況ではツアーを打ち出せない。県をまたぐのは控えるべきか、旅行で経済を回すべきなのか、政府内の見解を統一してもらいたかったのは正直なところです。一方で、旅行やキャンペーンそのものがいけないものだという風潮には異議を唱えたい」
――具体的には。
「キャンペーンは何も我々旅行会社だけを支援するものではありません。例えば、バスツアーに参加すれば旅行先で食事し、観光施設を見学し、土産を買う。公共交通や飲食業、農業など、様々な業界関係者に利益を生む旅行を通じて、地域経済の活性化を図るのが本質のはず。実際、ツアー先の方からは『この状況下で来てくれてありがたい』という声もいただいています。説明が不十分だった政府、批判的な論調ばかりを展開したメディアにも非はあると思いますが、そういう側面にも目を向けてもらいたい」
――会社としての取り組みと今後の展望は。
「従来のバスツアーに加え、少人数でも観光地を楽しむことができる『マイカープラン』を始めました。当社が企画したツアーを自家用車などで辿っていただくもので、団体旅行でしかできないような見学や体験ができるのが特徴です。一方移動は個人なので、感染症対策にもなります。個人旅行、特に日帰りはこれまで代理店があまり手掛けてこなかった分野ですが、我々のような小規模な事業者であればこそ、お客様からの細かいニーズにも応えることができる。お客様と旅行の楽しさを共有する姿勢は変えることなく、大手に真似できない強みを生かしていきたいと思います」
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