郷土研究グループ「鵠沼を語る会」がこのほど、太平洋戦争にまつわる戦中戦後の記憶をまとめた会誌「鵠沼」の特別版を刊行した。コロナ禍で戦後75年の行事が縮小される中、「後世に戦争のことを語り継ぐ材料にしてもらいたい」と120部作成。9月までに近隣の学校と図書館20カ所に寄贈した。
小冊子特別版、小学校などに寄贈
特別版は2005年に発行した第91号と15年の第111号の合併号。
同会によると、かつては会員が学校などに出向き、戦争体験を語っていたが、高齢化とともに機会が減少。その後2度に渡って会報誌で特集を組んだが、当時の執筆者には故人も多く、新たな戦争の記憶を書き残すことが難しい。そこで戦後75年の節目に1冊にまとめ直すことにしたという。
巻頭では戦時下、藤沢でも戦闘機の機銃掃射があったことや終戦間際、湘南海岸を上陸地点に想定した米軍の「コロネット作戦」などが予定されていたことなどを紹介。また各会員のページでは、敗戦を挟んで数年間の市井の人々の暮らしが克明につづられている。
執筆者で同会会長の有田裕一さん(83)と運営委員の竹内広弥さん(77)は「いずれも地域の生活とともにある記憶。戦争は繰り返してはいけないのだと、子どもたちに伝える教材として役立ててもらえればうれしい」と話した。
B5判108頁。鵠沼公民館や市内図書館などで閲覧できる。
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