人生という”本”の最後のページをどう締めくくるか――。高齢化社会で自身の老い支度を整える「終活」が一般化している。藤沢市は、厚労省が進める「人生会議」の施策に地域性を加えた独自の解釈で、新たな終活スタイルを提案している。
「やはり住み慣れた藤沢に最後まで暮らしたい」と話す明地地区在住の70代夫婦。先月29日に明治市民センターで開催された「あなたの人生会議」に参加した。同地区に関連する21の企業や団体が、医療や生きがい作り、葬儀など「死ぬまでに必要な地域情報」を紹介する市主催イベントで150人が来場した。
人生会議は厚労省が2018年に打ち出した施策で、「もしもの時」のため自身が望む医療やケアについて家族などと事前に話し合ってもらう。
市地域包括ケアシステム推進室はこれを受け、人生会議の講演会などを実施。今年配布したエンディングノートは用意した200部が1カ月で無くなるなど、予想外の反響の高さに驚いたという。同室は「参加者の声で多かったのは、自分らしく、地元で暮らしたいという意見」と話す。
歳重ねるほどつながり
一方で、これまでの終活は「断捨離」など整理し身軽になるための取り組みが多い点に着目。身軽になる一方、地域のつながりの希薄さは独居老人や孤立介護、孤独死の原因にもなると考えた。
同室が定めたのは「理想の終わりを迎えるためには、地域のつながりが欠かせない」という独自のテーマ。「一見逆行するかもしれないが、必要なものだけ周囲に残すという発想は同じ」と説明する。
明治地区のイベントを皮切りに、次年度以降、他地区の展開も企画している。「歳を重ねるほど多くの関わりを持ち、自分らしさを追求していける、前向きな終活を提案したい」と呼び掛けた。
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