ひと際大きな喝さいが飛んだ。昨秋、岡山県で開かれた全日本BMXフリースタイル選手権(13―15クラス)。連覇がかかった決勝戦の2本目で決めたのは、空中でハンドルをまわす4回転バースピン。これまで一度しか成功したことがなかった大技だが、重圧をものともせずやってのけた。
同世代では頭一つ抜けた、次代を担う逸材だ。全日本では10歳で優勝したのを皮切りに3連覇。昨年にも連覇を達成し、不動の立ち位置を築いた。現在、日本自転車競技連盟が指定する強化育成選手でもある。
出発点はまだ自転車にも乗れなかった6歳のとき。友人のお下がりをもらったのを機にBMXの魅力にのめり込んだ。空中でアクロバティックな技を決める姿が「かっこよくて」。以来学校から帰ってきては毎日のように海岸沿いにある鵠沼海浜公園スケートパークに通い、技を磨いてきた。
15歳を迎える今年はジュニアの枠組みを超え、世界戦の切符がかかるエリートクラスへ参戦を予定。「プロも出場する中でどれだけ自分が通用するか」と瞳に闘志をみなぎらせる。
この1、2年で身長は20cm以上伸び、体つきも一回りたくましくなった。精神的にも成長を重ね、「最近は負ける気がしない」と自信が口をつく。
夢はパリ五輪の先、世界最高峰として知られるエックスゲームの頂点にある。今年は挑戦の年。「皆をビビらせるような最高のライディングをしたい」。そう言って不敵にほほ笑んだ。
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