大舞台での自身初優勝に、うれしさがこみ上げた。2019年の「オープンスキフクラス全日本選手権」。五輪種目へのステップアップとして普及が期待される、ジュニア用の小型ヨットを操った。20年の世界大会への出場権を手にしたが、コロナ禍で延期に。そのイタリアへの切符は今年に持ち越され、「上位15位までには入りたい」と決意を新たにする。
3歳の頃、ボートに乗って海上から見た8歳上、2歳上の姉たちの帆さばきが眩しく目に映った。「格好良い、楽しそう」。大人と一緒に海へ出ると、すぐさま競技にのめり込んでいった。所属する「ちょっとヨットクラブ」のレースに小2で初出場し、日本選手権やニュージーランドでの大会で経験を積んできた。
まだあどけなさが残り、時折穏やかな笑顔を見せるが、勝ちへの執着は人一倍。土日は朝から海へ出て、風上へと上り下りを繰り返す練習を欠かさない。体力の消耗が激しくとも、他の選手が休憩する時間にも1人黙々と船に向き合う。「勝ちたい、もっともっと強くなりたい」
「ヨットに関することなら何でもしたい」と、セーリングへの愛は尽きない。現在ニュージーランドの五輪代表チームのコーチを務める姉の背中を見て、選手だけでなく、競技に携わる夢も抱き始めた。今年は、慣れ親しんだ江の島で五輪を間近に見るまたとない機会。「トップ選手たちの競技を見て刺激を受けたい」。まだ見ぬ世界の大舞台へと舵を取る。
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