昨秋、県立山岳スポーツセンターで12mを超える壁に挑んだ。身長140cmの肉体を手足の隅々まで研ぎ澄ませ、予選、決勝ともに頂上まで登りきる「完登」を達成。中学生に混じって県の頂点に立って見せた。
進んだ関東では予選を2位で通過したが、決勝で足を滑らせて6位に。不本意な結果に終わった。「リーチの長さが足りなくて届かなかった。もっと集中しないと」。悔しさをにじませつつも、「次は足の置き方を丁寧に」と改善点を見出す。真っすぐな瞳は常に次の壁に向いている。
きっかけは4歳の頃。体力自慢たちがアスレチック風のコースで競うテレビ番組「SASUKE」を見て、出場者がクライミングでトレーニングする姿に憧れた。公園の遊具をコースに見立て、スタート、ゴールを繰り返し、「自ら課題を設定し、達成する面白さ」に出会う。それは、今感じている競技の魅力とも一致している。
3年前から本格的に競技の道へ。現在は、国体出場を目指す県山岳連盟ジュニア強化指定選手の一人に選ばれるまでに成長を遂げた。身長を補う技術は、指導者をも驚かせる、手のひら全体で押さえつける保持力。「手に吸盤がついているかのよう」と評されることもあるという。
目指す選手像は「どの大会でも安定して上位を取り、みんなの目標になるアスリート」。その先に見据えるのは「五輪に出てメダルを取ること」。きっぱりと、笑顔を見せて語った。
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