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太平台明和会自治会 桐生繁さん・末次正博さん 「手作り避難所」住民主導で

コミュニティ社会

掲載号:2021年2月26日号

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避難所を紹介する桐生さん(右)と末次さん。名称はかつて子どもたちが遊んでいた小山の愛称にちなんだ
避難所を紹介する桐生さん(右)と末次さん。名称はかつて子どもたちが遊んでいた小山の愛称にちなんだ

 災害からまず己の身を守り、その後助け合うことができるか。10年前の東日本大震災は「自助」と「共助」の大切さを浮き彫りにした。一方、避難場所などハード面の整備は自助では限界がある中、住民主導で行政や企業の協力を取り付け、実現させたケースがある。

 「天気がいいと大島まで眺望できるんですよ。皆さんの協力があってこそできた場所です」

 辻堂太平台地区にある高台で、太平台明和会自治会副会長の桐生繁さん(67)が顔をほころばせた。

 昨年10月に完成した「太平台ぽんぽこ山避難所」。地区内では最も標高が高い場所に300平方メートルほどのスペースが確保され、津波警報発令時には約150人が避難できる。元々はやぶが生い茂る空き地だったが、土地所有者の了解を得た上で住民や市職員らが伐採し、緊急時に一時避難できる場所として整備した。

 570世帯を抱える同地区は一部が津波浸水想定区域に指定。だが近隣には公園や公共施設がなく、避難場所は車が往来する市道。安全確保のためには新たな避難場所が必要だった。

 そこで防災部長を兼務する桐生さんと、昨年5月に急逝した中西英介会長が避難所整備を発案。場所探しや交渉を行い、整備にあたっては住民の参加を促した。計7回行われた作業にはのべ約120人が参加。同自治会役員の末次正博さん(69)は「2人の声掛けで地域の皆が同じ方向を向いた」と振り返る。

 さらに地元市議の助力を得ながら、高台までの階段設置や資材提供は地元企業が無償で実施することに。コロナ禍で一時中断も余儀なくされたが、昨年10月には無事落成式が行われた。

 住民、企業、行政が連携した避難所整備は県下でも珍しい。実現の要因を桐生さんは「始めから行政を頼るのではなく、『まずは自分たちの手で』と行動したことが大きい」と話す。自分たちが道筋をつければ自ずと協力の輪も広がるはず―。その考えが的中した。

 同自治会では、57ある班を自主防災活動用の10のグループに再編し、各リーダーが定期的に防災会議を開いている。万一に備え、地域内でいかに防災意識を浸透させられるかは社会的な課題とも言える。

 「まずは声がけ。訓練にしても『一緒に行こう、一緒にやろう』と。皆さんの意識を高めることが、そのまま地域の防災力につながる」と2人は声を揃えた。
 

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