西暦2599年、火星。そこには想定外の進化を遂げたゴキブリがいた。人類は昆虫の特殊能力を備えた部隊を送り込み殲滅を試みるが――。
連載が始まったのは大学生だった2011年。おぞましくも圧倒的なスケール感で読者を惹きつける作品は瞬く間に人気を集め、その後SFバトル漫画として不動の地位を築きあげた。
夢の玄関口は小学2年のとき。親戚が自宅に置き忘れたギャグ漫画を手に取って衝撃を受けた。ページをめくる手が止まらず、「自分でも描いてみたい」。その日以来、消防士だった将来の夢は漫画家に。明確な根拠があったわけではなかったが、「自分は漫画家になる」。そう決めていた。
高校ではラグビー部に所属。花園を目指して全力でピッチを駆け抜けた。勉強は「学年で下から2番目」だったが引退後は猛勉強の末、現役で国公立大に進学。「あのときが人生で一番集中力があった。そう言うと編集者には微妙な顔をされるけど」と笑う。
今でこそスター作家の一人だが、無論紆余曲折はあった。鳴かず飛ばずの時期も、作品を創作する生みの苦しみも、看板作家としての重圧も。心折れそうに、いや、実際折れたこともあった。だがその都度立ち上がってきたから今がある。
「命を強引に運んで来ると書いて『運命』」
そんな言葉が自身の足跡と重なる。成功の裏には運もあった。だが、それをつかみとるのは意志と覚悟だ。だから、後輩に向けたエールを問われるとこう切り返した。「やるしかねぇ、です」
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