高倉在住の小泉忠二さん(81)の版画作品「金閣寺(鹿苑寺)」が3日、上野東京都美術館で5日まで開催されていた「第27回極美本展」で、最高賞の内閣総理大臣賞を受賞した。同展では6回目の受賞となる小泉さん。賞を受けて「版画を始めて約20年、加えて、昨年傘寿を迎えた記念にすばらしい賞を頂けてうれしい」と謙虚に語った。
同展は(一社)新極美術協会が主催する美術展。今回は全国から、洋画や日本画、水彩、工芸、イラストなど約350点が寄せられた。
小泉さんの作品「金閣寺」は、横50cm×縦70cmの大判に白・黒・金の3色刷り。黒の背景に白抜きで描かれた金閣寺が浮かび上がって見える。また「逆さ富士」のように水面に映る様子も波紋などで細やかに表現。加えて、金色の濃淡を調整し、立体感を出すなど工夫が凝らされている。「深夜2時から早朝5時までが創作時間」と笑う小泉さん。トータル約2カ月で今作は完成したという。
創作続け20年、傘寿の節目に
百貨店に勤めていた小泉さんは、定年退職を機に、版画教室に通い始めた。一度始めたらとことん突き詰める性格で、これまで「国宝」や「世界遺産」をテーマに毎年11月から5月までの間に6〜7作品を創作。原爆ドームや平泉の金色堂、厳島神社、アンコールワットにガンジス川など国内外問わず、あらゆる場所に何度も足を運び、20年以上に渡って創作活動を続けている。「時を忘れて夢中になれる趣味をもっていることが幸せ」と話し、「今回の受賞で版画はもちろん、住んでいる長後地域に少しでも光が当たるのはうれしいな」とほほ笑んだ。
創作意欲尽きず
コロナ禍では現地に足を運ぶことは難しくなったが、創作意欲は尽きない小泉さん。「次は出雲大社など山陰地方の作品を制作するつもり」と生き生きと話していた。
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