病院の敷地内に畑を作り、入院患者や通所患者のリハビリに役立ててもらおうという新たな取り組みが、獺郷の藤沢御所見病院で始まった。地域の農家に協力を仰ぎながら職員が手作業で整備。本格運用に向けて、野菜の試験栽培など準備を重ねる。
車道からも目を引く「リハビリテーション農場」の看板。敷地内の南側には約100平方メートルの畑が広がる。
畑づくりのきっかけは昨年の同院新棟工事。増築のため近隣の農地を借用した際、敷地が予定より大きく土地が残った。市農業委員会からリハビリ農園としての利用を勧められ、地元農家で同院の評議員を務める椎野幸一さん(81)にアドバイザーを依頼。職員も椎野さんの指導のもと更地の土おこしから苗植えまで協力して作業にあたり、看板を手作りした。
病院の理事・事務管理部長の佐藤昭仁さん(66)は、「新たなリハビリの方法として農業が注目を集めている」と話す。自然の中での作業や収穫の喜びを通じ、病気やけがなどで衰えた身体能力回復のほか生きがいづくりや介護予防への効果が期待されるという。同院ではこれまで、入院患者や通所患者に機器などを用いたリハビリを行ってきた。佐藤さんは、「土から芽が出てくる喜びが心身の健康につながり、自然に楽しみながら体を動かせたら」と期待を寄せる。
地域憩いの場にも
栽培した作物は販売せず畑に携わった患者や地域の人で分け合う予定。地元の高齢者にも参加してもらう憩いの場作りも考えているという。
今はどのような作物が育つのか実験をしている段階。スイカやカボチャなど7種類の野菜を栽培した。すでにナスやきゅうり、ピーマンを収穫。道を整備し、手が届く高さになる作物を考えるなど今後準備を進めていく。
「リハビリ農場が一つの居場所になり、病院の人、地域の人が一緒になって新たなつながりが生まれたら」と佐藤さん。椎野さんは「リハビリに成果が出るような農場の作り方は未知の世界。自分も楽しんで取り組んでいる」と話した。
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