ホームベースの上でチームメイトと抱き合って喜びを爆発させた。
立花学園と対戦した春季大会の準々決勝。劇的なサヨナラ勝ちで飾った4強進出は、創部以来初となる快挙だった。
快進撃を支えたのは、"二刀流"を体現するエースの存在だ。185cmの長身から繰り出される直球は強豪私学と渡り合う上での要石となり、打っては中軸として打線を盛り上げた。
一躍、注目選手の一人に躍り出た左腕だが、「チームメイトの助けがあってこそ」と謙虚だ。準々決勝では打てない自分の替わりに仲間が点を取ってくれた。安心して背中を預けられるから、守備でも焦らずに済んだ。だから、皆のおかげなんです―。そんな感謝の言葉が端々ににじむ。
中学3年生まで名古屋で過ごし、父の転勤とともに幼少期を過ごした神奈川に帰ってきた。進学先に清流を選んだのは、公立校ながら春8強を果たした学校ならば本気で野球に取り組める環境があると考えたからだ。
それは間違ってはいなかった。確かに校舎の建て替えが重なり、グラウンドはろくに使えない。全体練習も週に数えるほどだ。でも、皆が勝利に貪欲だった。
「目標はベスト4」。練習環境が恵まれないなりにできることはあるはずと、グループに分かれての基礎練習に徹底して取り組んだ。その努力の結果が、春の大会では実を結んだ。
ただ、物語は途中だ。最終目標は夏4強。言葉に迷いはない。「チーム全体でやってきたことを、夏にぶつけたい」
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