6月下旬、藤沢八部球場。整備された土のグラウンドに足を踏み入れる。「チームを束ねるのは難しかった。やっとここまで来た」。冷静かつ、その目は感慨深げ。普段の練習場よりも広く、夏を想定した八部での練習はこの日が今年度初。気合がみなぎる部員たちとともにベンチから外野に散る。キャッチボールを始めると、緊張がほぐれていった。
中学時代は鎌倉リトルシニアでプレー。「キャプテンの器ではない」とひたむきに練習に取り組むタイプだった。それでも高1の秋、主将を任された。「自分がチームを盛り立てて変えていかなければ」。自覚が芽生えるとともに昨夏、部員が10人揃い、やっとの思いで単独チームでの大会出場。念願だった。「楽しくプレーし、一人も欠けることがないように。一方で勝てるように」。
自身と関野創選手、2人のみの3年生が部を率いる。絶対的なスターはいない。「個の力を集めて、何とか戦力になってぶつかっていく戦い方。バントなど小技を磨いて相手のリズムを崩して、何とかくらいついてきた」。昨秋は地区で2勝1敗。得失点差で県出場が叶わず、悔しい思いもした。
主将であり、4番打者。プレッシャーはあるが、最後の夏を前に、何よりも15人の部員で野球ができる喜びに満ちている。「自分が打ち、ベスト32に。悔いなく、すべてを出し切りたい」。力強く宣言した。
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